獣医さんのお仕事
こんなに秋晴れ。そしてきれいな紅葉。
姿見の池に水があったら水面に映りより素敵だろうに…と、どうしても思ってしまいます。
なぜ水を抜いてあるのか。それは当園の高病原性鳥インフルエンザ防疫対策として、野鳥の水鳥が園内にできるだけとどまらないようにするためです。
そうです…来てしまいました。この季節。
冬を日本で過ごすために渡ってくる渡り鳥たちと共にきてしまう高病原性鳥インフルエンザウイルスに怯える季節です。
とても大切な話ですが、残念ながら楽しい話ではないですし、
「もう、鳥インフルエンザの話は飽きたよ」という方もいるかもしれません。
ということで、
鳥インフルエンザってなにだっけ?という方はこちら。
鳥インフルエンザ対策として行っている当園の取組みはこちら。
をぜひぜひご覧ください!!
今年はその対策の一つ、鳥たちの移動の一部始終を詳しくお伝えしようと思います。
今年は例年になく早いです。11月1日に福岡市の死亡野鳥からH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されたことを受け、園内の防疫レベルを上げることに。
野鳥からの糞を防御できないバードケージとこもれびの径を閉鎖し、特に感染しやすい水鳥たちを以下のように屋根のあるバックヤードなどに引っ越しさせます。
~こもれびの径~
バン 3羽、アオバト 1羽、キジバト 1羽をバックヤードに。ウズラたちを屋根を付けたこもれびの径の通路に。
~バードケージ~
アカツクシガモ 1羽、オシドリ 29羽、ヨシガモ 1羽、カルガモ 17羽、アカエリカイツブリ 1羽をバックヤードに。
簡単に引っ越しと書きましたが実際は大変です。「ちょっと避難してくださ~い」と言って移動してくれたらいいのですが、そんな訳にはもちろんいきません。
捕獲する際に鳥たちがケガをしないように。私たちもケガをしないように慎重に。
11月11日、バードケージのカルガモたちを移動させました。
まずは捕獲部隊が入ってきてパニックを起こさないように、フラミンゴたちを入り口の二重扉の中に誘導。
ここでしばらく待っていてね。
さて、ベテラン飼育員たちが続々集合。
今回は人数が足りていそうなので私は捕獲部隊ではなく、捕獲された鳥たちを運ぶ移動部隊でよさそうです(内心、ほっとしたことは他の飼育員には言えませんが…大変なんですもん捕獲部隊って…)。
ベテラン勢がささっと捕獲していくため、移動部隊で渋滞(焦)あっと言う間にこの日の目標としていたカルガモ全羽を無事にバックヤードの通路に移動完了。次の私の仕事は1羽1羽の健康診断です。
捕獲するのであれば、せめて健康診断を同時に…と毎年バックヤードに移動する時とバックヤードからバードケージに帰る時に体重測定と触診、足の裏の確認、数個体は採血などを行っています。鳥たちへの負担ができるだけかからないように素早く行い1羽1羽お部屋へ放していきます。
鳥たちの視診と触診が終わってから、採血した検体をせっせと回して、移動後に落ち着いたかどうか鳥たちをそっと覗きにもう一度行って。。この日の仕事は無事に終了。
私のカメラの中は記録として撮ったカルガモたちの足の裏だらけ。
この健康診断、膨大な情報量になるため、この後のカルテへの記入の方が時間がかかります(実は、まだ終わっていないことは担当者には秘密です…年内には終わらせたい…)。
さてさて、いつものごとく長くなりそうなのでこの続きは次回に。
二井