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獣医だより-74- ライオンのライについて

7月21日早朝、ライオンのライが永眠しました。(死因は現在精査中です)

5月17日に体調を崩し、こちらのブログでも何度かお伝えしてきました。

最初に体調を崩し、お腹の中にかかえているものを知った際は、正直「2週間ももたないかもしれない…」と思いました。それほどの急変と腫瘤物の大きさだったのです。

しかし、薬に対してよく反応してくれ、またライ自身の生命力のおかげで一時は病気と闘っていることを忘れさせてくれるほど、良い表情や動きを見せてくれました。担当者やライにかかわるスタッフと何度も相談しながら、ライにとって何が一番良いのかを常に考え、痛みや苦しみを減らすケアをできる限りしてきました。一時は、私の予想を良い意味で裏切るくらいのあまりの調子の良さに、「短時間でも運動場に…」と相談していた矢先、、7月11日、鼻血がでてしまいました。鼻血がなかなか止まらないということは血液を凝固させる機能が低下していることを示すため、一気に不安になりました。

18日に容体が急変。19、20日は飲水は自力で何とかしていましたが、肉は食べられませんでした。

ライに出会えたことに感謝と、ライから教わったこと、悔しかったこと、ひとつも無駄にしないようにライのことをしっかりと記録に残します。

今までライのことを応援してくださった皆さまには心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 

下記に既に書き記していた7月8日以降の様子をそのまま載せます。リアルタイムでご報告できず本当に申し訳ありませんでした。

前回のお話はこちらから。

7月8日

リアンの寝室扉に両手を添えて

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7月9日

朝から肉待ち

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このポーズ時の別角度がこちら

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トレーニング用の台に両前肢を乗せて、さらに顎を乗せています。7日頃から再び腹部の張れが気になるようになってきましたが、食欲は旺盛!動画(レバーを大きく切ってしまい、なかなか食べられませんでした) 動画

7月11日

朝から昼にかけて、左鼻から少量の鼻血が出てしまい、久しぶりに午前中の動きが鈍くなりましたが、午後は食欲も催促するくらいでした。

ライの病気の原因と考えている肝臓は血液を凝固させる機序を担う臓器です。鼻血は肝機能が落ちたことが原因と考えています。

7月12日

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朝から鼻血がぽたぽた垂れるため、止血剤を投与。鼻血は止まったりまた出たりを繰り返していましたが、1日を通して食欲は旺盛な日で、高栄養パウダー入りのゼリーに「肉じゃない!」と怒るくらいでした 動画

7月14日

朝、数滴出た後は鼻血は止まり、腹部もすっきり。一日中動きも食欲も良好でした。

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鼻の中が心配で動画まじまじと観察していたら怒られました動画

7月15日から17日にかけては鼻血の量もおさまったり、やや増えてしまったり。元気食欲にもむらがでてきましたが、1日約2kgの肉は食べられていました。しかし、18日に容体が急変。19、20日は飲水は自力で何とかしていましたが、肉は食べられませんでした。21日早朝に永眠しました。

ライ、本当に最後までがんばってくれてありがとう。

 

二井

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