獣医さんのお仕事
(2022年7月 毛艶も良くなる↑)
まだまだイケるのか?というわけで、秋には再度森へ。
(2022年9月から森で過ごす↑)
森でも問題なく過ごせていましたが、夜間に大雨が降った2023年5月6日の朝、木の下でびしょ濡れで横たわっているシロタビが?!
てっきりすでに…と思いそっと手を伸ばすと、なんと!顔があがった!!(担当者談)
直ぐに連絡が入り、病院へ。全力で冷え切った体を温め、
(ぬるま湯で体を温め↑)
(毛を乾かして、経口補水液を飲ませ↑)
夕方には復活!↑シロタビ、さすが!なんという生命力!
ただ、木から落ちた時に背中を打ってしまったようで下半身と右前肢を上手く動かすことができなくなり、排尿も自力ではできなくなってしまいました。シロタビの性格をよく知る担当者とも相談して、無理をさせず排泄介助をしながら、シロタビらしく過ごせるようなケアをしていくことにしました。
(一生懸命りんごを食べる姿↑↓動画でどうぞ)
排尿ができないため、尿道に管を入れていたのですが、管をかじらないようにオムツもつけていました。
(排尿介助やオムツなど処置中は大好きなりんごを食べてもらってる間にささっと↑)
(オムツ装着完了↑)
(栄養満点な流動食↑は食べてくれるけど…)
(神経を守るサプリメントに変えると…)
(まずいようで、この表情↑流動食と交互にあげました。)
前日まで大好きだった葉っぱ(のおいしいところだけ)を食べ、静かにゆっくりと最期の日を迎えました。2023年5月20日でした。
シロタビ、長生きしてくれてありがとう。そして、何度も生きる力をみせてくれて本当にありがとう。
慰霊祭の日を迎えるにあたって、過去1年の動物たちとの別れを振り返ります。どの動物たちも最後まで懸命に生き抜いてくれる姿に、時には感動を、時には獣医師としての力不足で悔しい思いを、色々な思いが溢れたことも思い出しました。
動物園というと動物の赤ちゃんがよく注目を集めます。確かに、繁殖は動物園の役割としても重要ですし、赤ちゃんはどのような動物種であっても愛らしくかわいいです。しかし、生きている限り命の終わりはきます。動物園という限られた環境ではありますが、そこで生きる動物たちは最後まで私たちに何かメッセージを伝えてくれていると思っています。ぜひ、近くの動物園に足を運び、生き抜く姿を見てみてください。
動物たちの魅力と素晴らしさをこれからも伝えられるよう、獣医師としてこれからも努力していこうと改めて思った慰霊祭の日でした。
二井