獣医さんのお仕事
12月2日 ヤギのヒナが亡くなりました。
ヒナは2004年3月3日生まれ、18歳8ヵ月とかなりの高齢でした。
高齢になると徐々に様々な衰えや病気が見つかることが多くなります。
2022年1月には頬に膿が溜まってしまい、洗浄や注射をしていました。処置を頑張ってくれた後は普段はあげていないバナナをご褒美に。いつも勢いよく食べてくれ処置のことなんて一瞬で忘れたんじゃないかと思うくらいの食いしん坊だったことを思い出します。
また、高齢になると、四肢の関節にも衰えが目立ち始めます。特にヤギは角が重いため、前足への負担は大きいです。ヒナも18年間身体を支えていた両前肢の関節靭帯が伸びてきてしまい、2022年の夏ごろには正しい形で負重ができなくなってしまいました。(↓ヒナの前足とレントゲン写真)
それでも毎日、元気いっぱいになかよし広場に出ていき、夕方にはヨウヘイたちと一緒にお部屋に向かいます!まるで「ごはんごはん♪」という風に一目散に帰って行く姿はとてもかわいらしい食いしん坊のおばあちゃんでした。
しかし、このまま放置しているとより悪化し、最終的には痛みや起立不能になることが予想されたため、7月末にギブスで固定しました。固定により歩きやすそうではあったのですが、皮膚が蒸れてしまい皮膚炎を起こしてしまいました。取り外しができるけれど、しっかり支えられる装具を付けてあげられないか。。と悩み、ご相談したところ、
帝京大学理学療法学科の壇先生と行平先生にご協力頂き、ヒナ特性の装具を作って頂けることになりました!お忙しい中にも関わらず、壇先生には一度ご来園頂き、実際に作って頂いた装具をヒナに装着した様子も見て頂きました。(↓ヒナの足の型から作成して頂いた装具を付けたところ)
さらなる改良を重ね第2号の装具が完成直前…という11月27日、窪地で転んでしまった際に、右前肢を大きく痛めてしまい立つことができなくなってしまいました。大急ぎで病院へ行き、処置をしての帰り道↓
翌日には後ろ足も立てず、懸命にマッサージなどを行いましたが、12月2日の未明に永眠いたしました。解剖の結果、泌尿器疾患と消化器疾患も見つかりました。
↓2021年2月25日撮影、
仲良しだったヒナ(左)とコナユキ(右)を撮影していると…
後ろに割り込んできたヨウヘイ。私が大好きな1枚です。
ヒナ、長生きしてくれて本当にありがとう。本当はもっともっと生きて欲しかった。この悔しい気持ちを忘れずに。ヒナから教わったことを今後にいかしていきます。
ヒナを応援して下さった皆さま、多大なるご協力を頂きました壇先生、本当にありがとうございました。
二井