獣医さんのお仕事
今年は到津の森公園になってから20周年!到津遊園時代からいるゾウのランとサリーのお話です。
カイウサギやモルモット、ロバなど、人間との関わりが歴史的に長い伴侶動物や産業動物は簡単に直接触ることができます。一方で野生動物はたとえ動物園で生まれ育っていても、人との関係を築くのは容易なことではありません。特に、ゾウのような知能が高く、人の何倍もの力がある動物ともなると、信頼関係が築けないと近づくことすら危険です。
幸いなことに現在、ランとサリーは大きな病気もしていないですが、いざという時に獣医が近づけない…というのでは困ります。そのため、9月からランとサリーと信頼関係を築くトレーニングを始めました。↓サリーに「おはよー」と挨拶。
大好きなごはんをあげながら、私の声や匂い、姿を覚えてもらい、たまに来るけど怖くない人と覚えて貰います。
まずは私が耳に触っても嫌がらないくらいになればいいなぁ、と軽い気持ちで「耳触るよ~」と声をかけながら耳を触ってはごはんをあげていました。
見慣れない人に興味津々なのか、顔を近づけてくるので、私にはこんな感じに見えています↓
3回ほど経ったある日、「今日もランちゃんの顔が近いな~」と思っていた私の頭に
”すり…すり…”
と何かが当たりました。
何かと思ったら、ランの耳でした。
どうやら、私=耳を触らせたらごはんくれるやつ
と学習してしまったようで、背の低い私に合わせてやや頭を下げながら耳を私の頭にすりすり、すりすり…していたのです。
さすがゾウ!自分で考えて行動するなんて、なんて賢いんだ!と感心すると共に、こちらが意図していない行動を結び付けてしまったことに私は大反省です。
この日以来、修正のためのトレーニングを先輩に習いながら行っています。
ランとサリーは私よりも年齢も動物園歴も大ベテラン。ゾウたちのトレーニング…というより私が教わることの方が多い日々です。
これからもゾウたちとの良好な関係を築けるよう私とのトレーニングを続け、健康管理に活かしたいと思います。
二井