到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

獣医だより-24-サラ

今日はモルモットのサラのお話です。

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動物の健康を守るために、病気の早期発見はとても重要です。

日々、飼育しながら動物たちの状態を確認しています。特に餌への食いつき方や動きはとても重要になります。しかし、それだけでは発見できない病気もたくさんあります。そのため、触ることができる動物はこまめに身体を触り病気がないかを診断します。(これを“触診”と言います)

モルモットも触診がしやすい動物です。担当者は1ヵ月に1回、体重測定と口腔内の確認、伸びていたら爪切り、傷がないか、お腹の中に何かできてないかを1頭ずつ調べ、異常や気になる個体を獣医に知らせて貰っています。当園のモルモットたちは現在76頭!頭数が多いので、毎月とても大変です。

サラは8月の検査で、お腹に何かあると連絡を受けました。触ってみると、下腹部に3cm大の丸いしこりが。そのまま、しこりがどこにあり、どのくらい動くのか(可動性)硬さはどれくらいなのか、凸凹なのかまん丸なのかなどを触りながら確かめます。それらの結果、恐らく子宮疾患であることが予想されました。

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レントゲン↑と超音波検査↓も行い、麻酔をかけても大丈夫かも確認します。(↓しこりの超音波画像)

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サラは2015年生まれで若くはないため、開腹手術に耐えられるのかという心配はありました。しかし、1ヵ月の間にこれほど大きくなったしこり…もしかするともっと大きくなり、胃を圧迫してしまう可能性があります。胃を圧迫すると食べたくてもごはんが食べられなくなるため、今回はしこりを摘出することにしました。

8月28日に開腹。予想通り子宮の一部が腫大していたため、そのまま子宮卵巣摘出をしました。

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術後、餌が食べられるか、排便排尿の確認のため、個別のお部屋に入って貰いましたが、翌日からはストレスを減らすために、群れの中に戻しました。お腹の術創が汚れないように手作り服を着たまま、仲間たちとごはんを食べるサラ↓

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りんごを仲間の口から奪い取るサラの姿を見て、一安心しました。

術後数日は抗生剤と痛み止めの注射を打つため、私は日に日に嫌われていきましたが、経過は順調!

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9月12日に抜糸も終了しました!!あとは、寒くなる前にお腹の毛が生えそろってくれることを願っています。現在、サラはさくら組~のんびりルーム~にいます。ぜひサラを探してみて下さいね。

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二井

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