獣医さんのお仕事
今回はケヅメリクガメのオカメの話です。
2月末、急に温かくなった日。朝からオカメの左後肢の動きが悪いとの連絡がありました。
すぐにレントゲン撮影↑
レントゲン検査では明らかな骨の異常はなく、足の腫れなどもありませんでした。
オカメは来園時よりもずいぶんと大きくなり、もともと別の動物のために設計された現ケヅメリクガメの寝室はリクガメ達3頭にとっては手狭になっていました。寒い時期は活発に動かないのですが、温かくなると寝室内でも動きまわります。
前日は急激に気温が上昇した日でした。そのため、夜間にオカメより大きなリクかヨウに踏まれてしまい、足の靭帯などを痛めたのではないかと考えています。
(↑治療中のオカメ)
更なる悪化を防ぐため、そして痛めた足を治すためにこの日からオカメはホオジロカンムリヅルの裏獣舎に移動しました。
数日間暖かい部屋で安静に過ごしてもらった後、ホオジロカンムリヅル舎で暖かい日のみリハビリを開始(この時は鳥インフルエンザ感染対策でツルたちはバックヤードに移動していました)。初日は前肢にも力を入れられないようでしたが、徐々にゆっくりと踏ん張れるように。しかし、左後肢は良化せず。
さらに、環境が変わったストレスからか、食欲も落ちてしまいました。
環境変化だけはなく、今までリクとヨウと過ごしていたのに、急に一頭になってしまったストレスも食欲不振の原因として十分考えられました。食欲だけを考えれば、リクガメ舎に戻すのが一番いいのですが、リクやヨウと比べるとまだ体が小さいオカメ。再び踏まれてしまっては更なる悪化が予想されるため、一緒にすることができませんでした。
解決策は、オカメが安全に過ごせる寝室をリクガメ舎に増設!!
限られた予算のため、計画・設計・建設…全て手作りするしかありません。完成までにどうしても時間がかかります。
計画を進めつつ、何か食欲改善の方法はないか?精神的に安心すること・・・と考え思いついたのが・・・
少し長くなるため、次回に続きます。
二井