獣医さんのお仕事
今回は訃報をお伝えします。
先日、アライグマのマルが天国へ旅立ちました。
1月29日、突然食欲不振になりました。すぐに聴診・触診・血液検査を行うも肝臓の数値がやや上昇している程度。治療をしながら、「一時的なものであって欲しい、すぐに元気になって皆さんの前に出られるんだ!」という願いを込めて、原稿ができあがっていたマルのブログを2月2日にアップしました。
その後、少し息苦しそうな呼吸がみられたためレントゲンや超音波検査をし、肝臓と心臓の機能が悪化していることがわかりました。
↑がんばってくれているマルの検査の様子です。
検査がマルの負担に少しでもならないように、寝室の横や中でレントゲンを撮ったり超音波検査や血液を採ったり、どうしても病院に連れて行かないといけない時は車で運びました。治療を続けていくうちに、夕方になると少し動きが出てきたり大好きな鶏肉だけ食べる日がでてきたため、このまま少しずつでもよくなって欲しいと願っていたのですが、最後はとても急でした。2月18日に永眠、14歳10ヶ月齢でした。
マルは2016年8月10日に長崎バイオパークからハチ・ハナと共に来てくれました私とマルとの出会いは昨年の4月獣舎に入ると逃げていくハチ・ハナと対照的に、すぐに足元にまとわりつき、「ごはん、ごはん!」。本当に”食欲のかたまり”という印象でした骨折してしまい、長時間の手術に耐えた後も「ごはんは食べます!」とモリモリ。足の様子を診に行った時や、チロルの様子を診にマルの前を通る時も「ごはんくれるんですか?」というまなざしで見てくるので、つい担当者に内緒で「一粒だけだよ」とこっそりペレットをあげていましたその嬉しそうに食べていた姿が思い出されます
(鶏肉を食べるマル)
以前、お伝えしたようにやっと骨折が完治し、これから皆さまの前にたくさん出られると思っていたところだったので、本当に残念でなりません。
(落ち葉をほりほり、ごはんを探すマル)
私が関われたマルとの時間は短かったですが、その間にマルからたくさんのことを教わりました。私の使命はそれらを無駄にしないようしっかりと今後の個体に還元していくことだと思っています。
(なかよく♪左がマル)
マル、本当にありがとうどうか天国ではおなかいっぱい大好きなものを食べてね
マルのことを心配してくださった皆さまも本当にありがとうございました。
二井