獣医さんのお仕事
前回の投稿から気づけば8か月がすぎていました。寿命が人間の10分の1であるモルモットにとっては6年たったと同じ…反省です。
書こうと思っていたおばあちゃんたちが無事元気でいてくれてほっとしました。
今回はタイトルにあるように「会いに行ける、おばあちゃん」です(ネタが若干古くてすいません(笑))。
まずはヤギのメス「ユキ」さんです。
高齢で頑張って生きていることに尊敬の念を込めてあえて「さんづけ」で呼んでいます。2002年3月24日生まれの16歳。
私はこれまで13歳以上のヤギを看取ったことがありません。つまり16歳はかなりのもの、到津の森公園でのヤギ長寿記録です。
夜は個室で栄養価の高い食事をもらっていますが、日中はほかのヤギと一緒にヤギ山でのんびりと過ごしています。足も少し悪くなっており、痩せてはきたものの、食欲は衰えず、猛暑も乗り切ってくれました。担当者が休みの日にたまに私も飼育をしています。
朝、ほかのヤギたちが部屋から元気に飛び出して行く一方で、個室からその後をゆっくりと出ていきます。
雨降りや風の強い時などは部屋から出ようとしないため、そんな日は一旦掃除をすませてからまたお部屋に戻すようにしています。
特に暑かったこの夏は、昼ごはん前になると「ユキさん、かえる?」と声をかけます。帰りたいときは自分でとびらの前までくるのでお部屋へ戻しますが、帰りたくないときはこちらの顔をしばらく見てから岩山の裏側に行ってしまいます。
時々、彼女自身もどうしようか悩む日があり、一度とびらに向かってみたものの、やはり引き返すこともあります。このマイペースさが長生きの秘訣なのかなぁと、あくまで彼女の気分に合わせています。
群れから離れて山の裏側でのんびり過ごす少し灰色がかった小ぶりなヤギがユキさんです。
続いては、やはり時々飼育をするプレーリードッグの9歳になるメス「モモ」。
寿命が8歳程度の中、こちらもなかなか長生きしています。
しかし2017年の冬から痩せてきて、食べるペースもゆっくりになったので、群れとは別で給餌したり、チューブに入った高栄養のエサを与えていました。
すると、これがとても美味しかったようで、スタッフが部屋に入るたびに、エサをねだって壁をよじ登るようになりました。
「ボルタリングするプレーリードッグ」としてFacebook担当者にも投稿されたほど(笑)。
そのおかげか、やせていた体はほかの個体と区別がつかなくなるほどに回復しました。
部屋のステンレス壁をよじ登っているプレーリードッグがいたら、それがモモです。
こちらは外で食事中、手前左から2番目がモモです。
もうすぐ寒い冬が来ます。
寒暖の差が激しくなる今からが、お年寄りだけでなく動物の体調が崩れやすい要注意の季節。エサの量を増やしたり、ワラを敷いたり保温電球をつけたりと、いろいろな対策を行います。
それでもやはり、心配になります。朝、彼らがいつもどおりに元気でいるとほっとしてうれしくなります。
ご長寿の動物たちに、こちらが元気をもらう毎日。「会いに行ける」うちにぜひお越しください。
追記;ヤギのユキさんは10月25日より、ヤギのキャベツ売り場前の「なかよし広場」にいます。毎日専用の栄養ドリンクをもらっておかげで元気にしています!
外平友佳理