獣医さんのお仕事
ウエンツのこと~ご報告
2017年10月14日
10月3日にヤギのウエンツの記事をアップしましたが、その十日後の10月13日に死亡しました。
その日は私がたまたまヤギ当番でした。
今日もウエンツが無事か朝一はドキドキしながら獣舎の扉を開けていたのですが、そのはなんとなく、あ…もしかしてという胸騒ぎがしました。
奥にある彼の部屋を覗くと、いつもの姿勢でしたが呼吸はしておらず死亡を確認しました。
「お疲れさまでした」
真っ先に彼にかけた言葉でした。
前日までご飯を普通に食べていたとのことです。寝たきりになって1か月以上も一生懸命生きてくれました。
そして喪失感でいっぱいに。ここまで毎日頑張っていた彼がいなくなった・・・。
もう決して動かない彼と対峙して、どうしても泣いてしまいました。
そして、獣医師として彼にすべきことは「最後の声を聴くこと」。
動物が死ぬと必ず「解剖」をします。それは病気の状況を調べることで今後に活かすためです。
万が一感染症が無いか、治療は合っていたか、他に病気が無かったかなど調べ必要に応じて臓器などを保存することもあります。
外からは見えない彼の身体を一つ一つ診ていきました。やはり心臓はこれまで老衰で死亡したヤギよりは比較的しっかりしていました。
死因は全身臓器の栄養障害と循環障害。いわゆる老衰でした。
お疲れさまでした。
その日公休だった担当者から、そして他のスタッフからも同じ言葉が送られてきました。
ウエンツ本当にお疲れさまでした。
そして、ありがとう。
ヤギ舎前には金木犀が。献花さながらに良い香りを漂わせて咲いていました。
外平友佳理