獣医さんのお仕事
第6回目となる「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」を5月27日土曜日の夜に開催しました。
(と...前回の獣医のお話から1年経ってしまいその間一度も投稿せず申し訳ありませんでした。)
毎年の投稿とはいえ、初めての方も見られるので今回も改めて成り立ちから。
「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」
1996年にオランダのロッテルダム動物園が、癌を患っている子どもたちとそのご家族を招待したことをきっかけにして、国際的に広がったもの。毎年6月の第一金曜日の夜に障がいのある子どもたちとその家族を招待し、気兼ねなく楽しいひとときを過ごしてもらう事業です。2016年では世界38か国、261の施設が参加しており、国内では21の動物園や水族館で行っています。
そして実は動物園水族館で唯一の国際プロジェクトなんです!!
そんなドリームナイト...を行う上で到津の森公園での大切な目的が3つあります。
1 動物園に普段来れない方にも気兼ねなく来ていただけるような機会を作ること
ドリームナイトの最大の趣旨であり目的です。障がいの種類も様々、それぞれの理由でなかなか来れない方にも、障がいのある方とご家族に限定にすることで、気兼ねなく来ていただこうというものです。毎年参加人数も増え、去年の1500名を上回る約1900名の方にお越しいただきました!
2 スタッフのスキルアップとユニバーサルへの意識の向上
ドリームナイト...に限ったことではなく、日ごろから多くの方が来られる中、それぞれのお客様の目線に立って考えられるようにと、開催に先立ち、3年前から研修会を行っています。身体障害者の方や、発達障害のお子さんをお持ちの保護者の方からのお話に加え、車いすの押し方の実地研修です。毎年同じ内容を繰り返し行い、当日に臨み、その経験をまた日々の業務にも生かせるものです。
3 到津の森公園を介して地域全体で障がいについての理解を深めてもらう「意識、ソフト面のユニバーサルデザインの構築」
市内近郊の企業や大学などから、今年はさらに多く230名を超す方々がボランティアとして参加していただきました。やはりスタッフと同じく参加に先立ち研修を実施しています。特にボランティア参加者では初参加の方も多いことから初めて知ることが多いとお聞きします。
研修でお話しいただいた講師の方の言葉です。
決して「特別扱い」をしないこと。誰もが「ありのままで」いられること。
「障害者差別解消法」が昨年度4月より施行されましたが、「ユニバーサル=どんな方でもありのままで」楽しめる到津の森公園となるよう努力し、そしてそのような社会となるよう、この事業を通じて貢献出来たらと思っています。
そして迎えた当日!今年も晴れました!しかも朝から快晴です!!!
楽しみにしているみなさんがてるてる坊主を作ってくれたんだろうなぁ。うるうる。
開催の様子はたくさんの写真とともにご紹介します!この百倍はあった写真からほんの一部ですみません。
研修風景から。今回は車いすと合わせて視覚障害の方への接し方などを実地で学びました。
迎えた当日!開園前の様子から。
まず15時からTOTOの方々がクリーンボランティアとして、暑い中にもかかわらず周辺地域のゴミ拾い活動をされました!
16時。当園オリジナルのドリームナイトの旗を立てるのは高校生ボランティアさん!
青空の下はためいています
ドリームナイト世界共通の旗も設置!
16:30 200名近くのボランティアさんが集合!!
そして各持ち場に向かいます。
それぞれ持ち場で役割の打合せです。
着ぐるみのトラのミライちゃんもスタンバイへ向かいます!
ジブラルタ生命の方々も着々と準備。すでに6回目とあり手慣れたもの!
昨年より手話ボランティアさんもスタンバイです!
開園直前。たくさんのお客さんがその時を待っています。
17:30開園です!みなさん続々と!
迎えるボランティアの方も障がいをお持ちの方もいらっしゃいます。いい笑顔!
家族一緒にヤギさんどうぞ!
大人の方にも楽しんでいただけました!
いつも大人気のモルモットのタッチ。とてもいい表情が撮れました!
そして今年のベストショットはこちら!!どちらも最高の笑顔です!
リクガメも大人気。きょうだいみんなで!
フェイスペインティングです。ちょっと恥ずかしそうですが楽しそう!
しゃぼん玉も大人気!楽しそうです
もちろんトラのミライちゃんも大人気!
スラックライン(ゴム状の綱渡り)もたくさんの方に楽しんでいただきました!
ちなみにこちらがプロの技です!世界レベルだそうです!
ヨガも恒例となりました。保護者の方も癒しの時間に。
ゾウはやはり不動の人気。エサやりやガイドで多くの方に楽しんでいただけました。
しかし今年は何といってもキリンの赤ちゃん「ミモ」が主役ですね!
遊具は一律100円でご提供。親子で一緒に!
障がい者施設も出店されています!
暗くなるとさらにドリームナイト・・・らしさが増します。
20:00閉園。あっという間のひとときでした。
ミライちゃんもお見送りしました。
閉園後。片づけもボランティアのみなさんと一緒に。
~来園者の方のアンケートより~
「夜の動物園はまたとくべつだ。夢にいるみたいだ」
「走り回っても大声出しても気兼ねなく過ごせて本当に良かったです」
「いつもきょうだい児に色々な面でがまんさせているぶん、1年に1度この日は思い切り特別な時間を過ごせてありがたく思っています」
「障害児を抱えているとなにかと外出にハードルが高いですが、今日は安心して家族で楽しむことが出来ました」
「第1回目から参加しています。本人もきょうだい児ものびのびとリラックスして過ごせるこの時間は宝物です(同3名)」
「毎年参加しています。年々子供が楽しめていてうれしいです。継続すること、大切ですね」
「今日はウサギやカメの背中をさわってみてとてもうれしかったです。ゾウやキリンをみてとても大きいなと思いました。こんなにイベントが楽しいことを教わりました」
「毎年とても楽しみにしています(12名)」
「初めてでしたがすごーくすごーくたのしかったです!(同7名)」
「普段なかなか来ることができないので、毎年楽しみにしています。」
「スタッフや関係者の方がとても丁寧に対応して下さり端から端までイベントもどれもたのしめました。本当にありがとうございました(同8名)」
たくさんのご家族皆さんの笑顔をいただきました!
~参加ボランティアさんのアンケートより~
「正直笑顔で迎えられるか不安でしたがお越しになった皆さんのかわいらしい言動を見ると自分も自然に笑顔になれました」
「普段動物園にあまり来れない皆さんにとって素敵で大切な時間なんだなと感じ、自分もこの素敵なイベントにボランティアとして携われて嬉しかったです。」
「障がい者の方々と触れ合うことが出来て学ばなければならないことや、自然体のままでいられることの大切さなどが身に染みて分かりました」
「障がいを持つ子どもたちも健常者の子どもたちも何も違いがないのだなと思いました。少し不自由なところがあるだけで本当に何も変わらないのだと思います。今まで多くの誤解をしてきたのだと痛感しました。これから生活していく上で障がいを持つ方たちと接する機会があると思いますが、このボランティアで学んだことを活かして行きたいと思います。」
「子どもたちの笑顔が素敵で涙が出そうでした」
ボランティアさんも笑顔があふれていました!
この日に関わったすべての方々のために、今後も素晴らしい「夢の夜」となるように、いただいた笑顔をパワーに、みなさんと一緒にこれからも頑張って行きたいと思います!
今年も多くの企業や団体のみなさまにご支援ご協力いただきましたことを心より感謝申し上げます。
ジブラルタ生命保険株式会社、TOTO株式会社、株式会社安川電機、シャボン玉石けん株式会社、ヨガスタジオあるがまま、一般社団法人ココカラ、sluck9、とりはた玄海園就労センター、社会福祉法人若宮福祉会、九州栄養福祉大学、九州産業大学、麻生医療福祉&観光カレッジ、北九州市青少年ボランティアステーション、北九州市障害福祉団体連絡協議会、北九州市障害福祉ボランティア協会、北九州市身体障害者福祉協会、北九州手話の会 新虹の会、ぶぜん自然塾、到津の森公園森の仲間たち
※写真は全て掲載許可をいただいたものです。
外平友佳理