獣医さんのお仕事
先日もテレビ取材の際に「動物園らしく、ゾウやトラの診察などの絵を撮りたい」と言われました。
普段からも動物園の獣医師と言うと「ゾウも診るんですか?」「麻酔銃とか使うんですか?」などわくわくした顔で聞かれたり・・・。
でも・・・ごめんなさい(笑)。
実は一般的なペットの動物病院よりもずっとずっと「地味」なんです(笑)。
例えば今日、私がした獣医の仕事といえば・・・
その①エリマキキツネザルの飲み薬を作る。⇒すり鉢でごりごりすりつぶし、調合し、シーリング、1つ1つ切って袋に入れて、9日分18袋を作りました。
↑薬包セットです
↑密閉袋に乾燥剤を入れて名前と与え方を書いて出来あがり!
その②お腹の痛いモルモットに注射した後、細かくカルテに記入。そして食べる草を探してうろうろ。その③カンガルーの糞便検査のため、ウンチをもらって、砂糖水にねりねり溶かして、待つこと10分、ひたすら顕微鏡をのぞく・・・その間、漂いまとわりつく独特の臭い…。
↑糞便液・・・寄生虫卵がいたら上面に浮いてきます
でも、これらは地味でもれっきとした獣医の仕事です。
それ以外、業務時間の8割くらいは飼育業務をし、キャベツを売って、お子さんをロバに乗せて、モルモットのタッチタイムやヤギのガイドなども行います。
事務所に戻るわずかな時間に報告書や提出書類をもくもくと作り、時には洗剤の注文や故障した事務用品を調べ・・・その間に電話相談や、イベント予定の確認、スタッフの勤務表の作成などなど・・・。とにかくさまざまなことを行っています。
以前「きつい、きたない、きけん」の「3K職」などありましたが、考えてみるとこの仕事「きつい、きたない、きけん、くさい、けられる、かまれる」なんと「6K」はありますよ!
でも、でも、そんなに地味でも、6Kであっても、動物たちが元気でいることが何よりうれしいし、お子さんの笑顔には癒されるし、動物も人もあふれてる到津の森公園にいることが、自分が役に立てることが何より幸せです!!
願いは1つ!明日も地味で平和でありますように(笑)。
外平友佳理