獣医さんのお仕事
ごめんなさい!1年ぶりのUPです
1年に一度きりとなったレアイベント?獣医のイベントを3月20日に行いました。
今年は「動物たちが死んだらどうなるの?」という、素朴な、かつディープな疑問にお答えするものです。
祝日ながら、小雨のスタートとなり、園内まばらな中、一組でも参加いただければ恩の字という気持ちの中・・・
5組の方々に参加いただきました。しかもこのイベントのために来ていただい方が3組も。感謝、感謝です!
薄暗いレクチャールームで・・・おどろ、おどろしく?スライドでお話します。
暗めのレクチャールムでの解説・・・
到津の森公園の現在の飼育動物数は80種386頭羽(2月末現在)。
これだけの命を、私たちは担っています。
何よりも健康が第一!健康管理のいろんなお話をして・・・やむなく病気になってしまったら、ようやく治療。
(一般的には「治療」だけが獣医師の仕事と思われているかもしれませんね。)
そして、それでも甲斐なく死んでしまったら・・・。
ということで死後の話、本題へ。
動物は死亡したあと、第一に全て解剖検査を行います。
死因を究明することは生きている動物の今後のためでもあります。
実際の病因は何であったか。治療はどこまで合っていたか。他の動物にも影響のある病気か・・・。
心臓、肺、肝臓、腎臓、胃腸・・・1つ1つの臓器を調べ、生前の症状や、検査データなどと照らし合わせながら最終的な診断を行います。
解剖台・・・使うことがないことが一番です。
不明な点や、さらに詳しく調べたい場合は細胞レベルの検査「病理組織検査」を、大学や検査機関にお願いする場合もあります。
死亡診断には獣医学的な知識はもちろん、その種特有の動物学や飼育や環境、などなどさまざまな科学的知識が必要になることもあり、それを推理していく面白さがあります。
一般的な動物病院や人の医療では、死後の解剖はほとんどなされません。
いくらCTやMRIといった体の中を詳しく見れる機会が発達しても、実際に見る場合と必ずしも合致していないと、人の医学でも聞いたことがあります。
誕生から死、そして死後まですべて見ることが出来る動物園獣医師はとても幸運だと思っています。
そして、死亡原因を調べた後も、動物たちはまだまだ活用します。
長くなるので続きはその②で。