獣医さんのお仕事
HPで触れるのは、3回目となります(笑)。
ロビーで年明けから一部のコーナーを使って、去年の秋に行われたニホンザル展の続編
をさせていただいてもらっていました。
特に「ニホンザルとの共存」をテーマに展示し、日本人にとって身近なニホンザルの紹介と、
北九州市に一番近くに住んでいる「香春岳のサル」の紹介、そしてニホンザルによる被害
「猿害」とその原因と解決法についての展示でした。
ちょっとまじめな展示だったので、みなさんにより親しみをもってもらおうと、「ニホンザルへ」
と称した一言コーナーを設置しました。
他の方の意見って結構気になりますしね(笑)。
ニホンザルの絵をバックにメッセージを書いてもらおうとの意図でしたが、色鉛筆も置いて
いたこともあり、ぬり絵にしてカラフルなニホンザルに塗ってくれた方も多く、掲示すると
とても華やかでした。 そして、予想以上に多くのメッセージをいただきました。
ちょっとご紹介します。
お子さんたちから~
「うちの かきは たべていいよ。」(涙)
「さるくん ぼくも むかしはさるのなかま だったんだよ」
「すみかなどを こわして ごめんね。」
子どもたちは純粋です(泣)。
「私は山の近くにすんでいます。さるが人間をかみついて入院させたこともしっています。
私はこわいと思いました。けど、それは人間が食べるものやすむところをうばったから
です。」(小学生のお子さんから)
「いっしょうけんめいに いきてね。(サルのふきだしで)にんげんとなかよくなりたいな~」
「ごめんね。自分勝手な人間たちで。あなたたちのすみかまでうばって。本当にごめん。
子どもたちは、こうゆう、事をしらないと思う。これをみてざんこくだと思った。おサルさん、
だいすきだヨ。自分勝手な "大人"たちとはちがう。」
「わたしはサルにエサをやっている人がいたら、ちゅういします。」
「サルのいる山を守ろう!さるを悪ものにしないで!さるも人げんもみんな同じだよ。」
「サルのすみかである山をみんなで守ろう!これからも一緒に共に生きよう。いっしょう
けんめい。がんばろう。」(9才女性)
「人とサルの絆が深まるといいな」
「かわいそうだから 山をこわさないようにしたいです。」
「人間のせいでニホンザルの住む場所がなくなってきているのですよね?人間が森林
はかいをしなければ、今、こんなことにはならなくてすんだと思います。だから私が大きく
なったら、動物たちの事もかんがえて行動するようにします。」
続いて大人の方から~
「さるを大切にしようと思うなら、その場かぎりの思いでむやみにエサを与えたりしないように
しようと思いました。ゴミなども きちんと自分たちで処理して人も動物も住みやすい環境を
大切にしたい。住み分けは大事なこと。一人一人が考える時です。自然と共存出来るすてき
な地球をみんなで作っていきましょう。」
「人間の都合で住む所を奪われ、人里に出てきて殺処分されるサルに胸がいたみます。
サルのためにも人間のためにも豊かな自然を守っていかなければいけないと思いました。」
「サルに何も考えずにエサを与えて山で生きられなくしてしまったり、そんなことはあっては
いけないと思った。これから、外にゴミを捨てないとか、そういうことから始めないといけない。」
「共存することの難しさを知りました。出来ることをやるのが大切だと感じました。」
などなど。
とても真剣な、そして心温まるうれしい(ニホンザルに代わって)メッセージがたくさん!
おかげで、ニホンザルたちの未来が明るく照らされたようなコーナーとなりました。
さて、今年から北九州市でもサルの行動調査を始めることになりました。
罠をしかけ、捕まったサルに発信機をつけることに。
麻酔が必要なため、その時は私たち、到津の森公園の獣医師が応援に行きます。
獣医師としての応援だけでなく、動物園に働く、伝える場所で働くものとして、一旦
このコーナーは終わりますが、また今後も発信していこうと思います!