獣医さんのお仕事
今年の3月に生まれたプレーリードッグの5つ仔ちゃん。
このHPでも何度か登場している愛らしい子どもたちも、9月でちょうど半年になりました。
ところで、彼らの外見について、一つ気になるところがありました。
それはその、お・な・か。いつ見ても何がそんなに入ってるの?というくらいに「ぽんぽこりん」なのです!
子どもは大抵おなかが大きめですが、それにしても今年の子どもたちはちょっと大きすぎでは・・・?
どのこもポンポコリン!!
ぽっこりどころでない!?
そこで先日、担当者と相談し、一度調べてみることにしました。
調べる方法は、人と同じ「バリウム検査」です。お腹の動きや形、様子を見るならこれが一番です。
検査対象として選ばれたのは5頭の中でも特に大人しい3頭「プク」「ナミダ」「ハン」(名前の由来は担当者に・・・)。
が、さすがにバリウムを素直には飲んではくれません。このため、一工夫、ブドウ糖を入れて甘くしてみました。
すると・・・ごくごくと飲む!飲む!大成功です。
そして。時間を追ってお腹の様子をレントゲンで撮っていきました。
人と違って絶食して飲ませているわけではないので、お腹にすでにあるたくさんのごはんと混ざることになるのですが、それでも、綺麗に見ていくことが出来ました。
飲ませて30分~1時間後にバリウムは十二指腸(小腸)へ達していました。
右上の大きな白い部分が胃です。
その後、早い仔では3時間半で盲腸まで。
そして・・・ついに、ぽんぽこお腹の原因がわかりました。
「食べ過ぎ」。
あえて病名?をつけるとすれば「盲腸拡張症」とでもしましょうか?
正常なプレーリードッグでは盲腸は、胃の大きさと同じくらいかそれより少し小さいくらいです。
しかし、彼らの盲腸はなんと直径にして悠に2倍。体積にすれば8倍ほど大きくなっていました?
直線で引いてるところが盲腸の長さです。その左上にすでにころころのウンチが出来ています!
大丈夫?ええ、大丈夫です。
バリウムのおかげで食べてから糞になるまでの時間も分かりました。それでいくと7時間から10時間ほど。
そして、とても大きくて立派なウンチです。つまり正常にお腹は動いており、問題はないことが分かりました。
さて、翌日。
やや白っぽくなったコロコロのウンチを発見。
左:通常のウンチ 右:バリウムの混ざったウンチ
プレーリードッグのお腹でのバリウムの旅、なかなか面白かった!
外平友佳理