獣医さんのお仕事
ドキンちゃんその後
動物のいのち 2005年12月29日
元気なころのドキンちゃん
更新がすっかり遅くなってしまい、報告が遅れました。
前回のHPでドキンちゃんを紹介したときから、すでに3ヶ月がたってしまい申し訳ありません。
ドキンちゃんは、紹介後も、小康状態で生きていましたが、9月に入り体をほとんど動かせなくなりました。
それまで食べていた大好物のりんごもわずかを口にするだけ。お別れの時期がいよいよ近づいてきたことを担当者とともに覚悟しました。
そして9月9日。毎朝、獣医室に入って真っ先に生きているかを緊張しながら確認していましたが、その朝にドキンちゃんの生涯が終わっていることに気づきま した。毎日を一生懸命生きてきたその小さな体がよけいに小さくて、思わず涙があふれました(こうして書いていても・・・)。
でも、私は獣医です。悲しいお別れだけでなく、それから仕事があります。ドキンちゃんの死亡解剖です。担当者とともにドキンちゃんの体を調べます。予想通 り、肺全体に肝臓ガンが転移していました。肝臓は7月に見たときよりもさらにガンが大きくなり、数も増えていました。これまで生きていたことが不思議なく らいでした。
一般的にリスやネズミの仲間は(プレーリードッグはリスの仲間)は高齢になるとガンになりやすい動物です。特に肝臓ガンは珍しくありません。
そして、人間も4人に1人がガンで亡くなる時代です。
今回のことは動物だけではなく人間にも共通するものかもしれません。末期ガンとなった時に周りが出来る事、医療の限界、そして何より本人の希望とは。
それについて改めて考えさせられるものでした。ドキンちゃんからはたくさんの思い出とともに多くのことを教えられました。
ありがとうドキンちゃん。