獣医さんのお仕事
獣医日誌より~17年8月 ドキンちゃん
動物のからだ 2005年8月15日
なでられて気持ちよさそうなドキンちゃん
暑い日が続きます。そんな中、ひたむきに生きている動物がいます。プレーリードッグのメス、ドキンちゃんです。年齢は不詳ですが、かなりの高齢です。人に慣れていて、なでると気持ちよさそうに目を細めてくれます。
今年の2月、肝臓ガンの手術をしました。リスやげっ歯類の仲間は年を取るとガンになる確率が高く、なかでも肝臓ガンは多いようです。10円玉くらいの大きなものでしたが、きれいに取る事が出来、経過も順調でした。
しかし7月に再発を確認しました。再び手術のためおなかを開けると今度は肝臓の中までたくさんのガンが転移していました。摘出することは非常に困難で、リスクが高すぎます。悩んだ末、やむなく手術を断念しました。
それから1ヶ月半がたちます。プレーリードッグの約7年の寿命から考えると人では1年たったくらいでしょう。食べる量は少ないけれど食欲もあり、うとうと 寝ていることが多いものの痛みや苦しみもなく、小康状態を保って暮らしています。人が近づくと顔を上げプレーリードッグならではの挨拶をしてくれます。そ していつものように体をなでであげると気持ちよさそうに目を細めてじっとしています。
人ではスキンシップは免疫力をあげる重要な要素だとか。ドキンちゃんにもそうかもしれません。その生命力に驚きつつ、励ましながら今日もなでてあげています。
頑張れドキンちゃん、彼女との付き合いが出来るだけ長く続くよう祈るばかりです。