獣医さんのお仕事
実習生を迎えて
獣医さんの日常 2004年8月21日
耳の縫合をしたワオキツネザルの「ヤシャ」
7月の10日間、北海道から獣医の学生が実習に来ていました。将来動物園の獣医になりたいと、以前手紙をくれた方です。
遠くから来たかいがあるほどの実習が私のもとで出来るだろうか?少し緊張気味に迎えました。
会ってみると意外に小柄で華奢な女性です。初めての九州でしかもこの猛暑、これから10日間、まずは体力が持つかが心配になりました。
そんな事にはお構いなし、がこの仕事です。何時にもまして、怪我や病気、交通事故で持ち込まれた野鳥など動物たちの患者は絶えません。
最初に保護されて来たアブラコウモリの赤ちゃんの人工保育を頼みました。そしてワオキツネザルの切れてしまった耳の整形手術などいろいろな手術の助手や薬の調合、入院動物の世話やカルテの記入など、様々な仕事をしてもらいました。
そんな忙しい毎日でしたが、すでに実践的な勉強もしているため飲み込みも早く、気付けば夏バテと戦いながらも頑張ってこなしていました。
そして北に帰った彼女からメールが届きました。「…野生動物に関わろうという気持ちは一層強くなりました。本当に良かったと思います。」何よりの言葉でした。そして、私にとっても初心に帰るいい機会になりました。