獣医さんのお仕事
獣医学生の頃 3
獣医さんの日常 2004年7月 4日
4年生からは研究室に入ります。私は迷わず野生動物を対象とした研究室を選びました。
そこでは宮崎県の都井岬に生息する御崎馬の社会行動について研究しました。一日中馬の後を追ってはその行動を細かく記録し、分析します。
当時80頭ほどいた馬たちとも次第に顔馴染み(?)が増え、生まれた子馬の成長も楽しみの一つでした。ある時は訪れた観光客がけげんそうに見る中、糞に識別のために旗を立てたこともありました。草地に転がる糞に立つ赤や黄色の小さな旗々。
そして、ある時生理学の先生が特別講義の一環として動物園について講義を行いました。自らが訪れた世界の数々の動物園について写真を交えての話。いつもの 眠気を誘う話し方とはうってかわって、初老の教授が本当に楽しそうに熱っぽく話す様子にいつしかわくわくして聞き入っていました。
それが、野生動物に関わる仕事をしたいという漠然としたものから、動物園で働きたいという具体的なものに変わったきっかけでした。
それからというもの、時間を作っては動物園へ実習に通いました。
そして、今の私があります。
今回手紙をくれた獣医学生の様な、熱意のある方々へ今後少しでも力になりたいと思っています。