獣医さんのお仕事
獣医学生の頃 2
獣医さんの日常 2004年7月 4日
入学後すぐに学園祭があります。獣医学科の出店は毎年恒例「カエルの唐揚げ」。
材料となるたくさんのウシガエルの調達は1年男子の役目。まだ水の冷たい川に毎日のように入ってはモリで突いて取り、その後解剖室でさばいて太腿だけを冷凍保存。
1年女子は調理係。寄生虫予防のためにと、20分間かけて2度も揚げなければなりませんでしたが、いくら揚げてもすぐに売切れる程の人気でした。確かに見た目は鶏肉の様でしたが私たちはとても食べる気にはなれませんでした。
学年が進むと実習も次第に多くなりました。やっと生きた牛(!)に接する事が出来る、待ちに待った牧場実習がありました。
まずは初めての牛の搾乳。馴れない者がすると痛いのか、中には気性の荒い牛がいて「回し蹴り」をかわしながら行いました。
そして牛の直腸検査。肛門から手を入れて直腸越しに卵巣と子宮の状態を調べる検査です。
まず糞を手で掻き出し直腸を空っぽにした後、肘よりも深く手を入れます。脂肪も付いてぎっしり詰まっているお腹の中、油断すると牛も嫌だとばかりに手を押し出そうとします。
子宮をなんとか見つけてそこから探っても、熟練すれば分かるころんとした形の卵巣も、どれだかさっぱり分かりませんでした。