獣医さんのお仕事
鳥の下痢治療
動物のからだ 2004年5月23日
最近オオハシの1羽が下痢をしています。熱帯に生息する彼らにとってようやく嬉しい季節になって来たのですが朝晩はまだ冷えるようです。
飛ぶ為に進化した鳥類。飛翔には莫大なエネルギーを必要とする一方、出来るだけ体を軽くする必要があります。
その為「しょっちゅう食べてはしょっちゅう出す」といった消化システムを持っていますます。
特にオオハシなど熱帯の鳥類が好んで食べる果実類は消化が非常に良くて、食べてからおよそ1~2時間で糞として排出されます。ですから未消化物を多く含んだ柔らかい糞をします。
もともとそんな糞ですが、粘液が混じったり明らかに水様性であれば下痢です。
オオハシの糞の検査をすると、腸内細菌のバランスが崩れていることが分かりました。早速飲み薬を処方します。
ところがその後、食べる量が減ってしまいました。どうやら薬を混ぜた餌を嫌がっているようです。なるほど苦い薬です。
果物の好きなオオハシのために甘く酸っぱい味に変えます。砂糖とビタミンCを混ぜて、何度も味見をしながら調合します。
うん、これならおいしくなったかも。
まずは餌を食べてくれることが先決です。
おいしく食べて早く元気になってね。