到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

腫瘍の切除にもう一工夫

桜吹雪の到津の森公園。
先日プレーリードッグのメス、「チャビン」の右の首筋に出来た腫瘍(できもの)の治療を行いました。
半年ほど前からあるほんの大豆ほどのものでしたが、掻きむしったのか、破れて出血したため手術で取り除きました。

人の場合と同じく動物にも様々な腫瘍が出来ます。
良性のものから癌などの悪性のものまで、性別や年齢、種類、さらに犬や猫などは品種によっても発生しやすい腫瘍の種類があります。
飼育や獣医の技術が進歩すると、ペットと同じく動物園動物も長生きするため、高齢化が起こります。そうするとこれまで知られていなかった動物の腫瘍の発生も見られるようになりました。
12才のレッサーパンダ「スクスク」の左手には乳頭腫という良性の腫瘍があります。肌色のカリフラワー状で犬で時々見られるものです。

プレーリードッグのチャビンの腫瘍は幸い良性の脂肪腫のようです。
きれいに取れましたが問題はその後。縫い傷が開かないようにしなければなりません。
糸は外に出ない様に皮膚の内側を縫い、さらに一工夫、掻きむしる方の後ろ足に包帯を巻きました。これなら爪で傷つけることは出来ません。

その甲斐あって経過は順調。ですから包帯をしていても怪我をした訳ではありません。
どうぞお間違えなく。

« ウン・この不思議発見!
新天地へ »

公園だより