獣医さんのお仕事
鳥たちの受難
動物のからだ 2004年3月15日
鳥インフルエンザ。ついに3件目が京都で発生しました。
渡り鳥による伝染の可能性がある中、今後も発生するかわからない状況、多くの鳥類を飼育する動物園でも心配な出来事です。
周囲の情報に耳をそばだて、他の動物園とも情報交換を行い、対策を講じています。
到津の森公園では外からの感染を防ぐために、各獣舎に設置している消毒槽と手指消毒剤を来園者が入るバードケージの出入り口にも設置し、カルガモやオシドリなどのカモの仲間も別の場所に移し、ふれあいコーナーのチャボとアヒルは展示を休止しました。
もちろん、保護で持ち込まれる鳥類にも敏感になります。マスクと手袋は必須です。
とはいえ、触っただけでうつるものではありません。フケなどの飛散物や糞を摂取し、また人を含めた他の動物への感染力のある種類でなければ感染は起こりません。
正しい知識と対処法が必要なのです。
ところで、去年の春、バードケージの巣箱ではオシドリが、茂みの中ではカルガモがそれぞれ卵を温め、孵化した雛が親鳥の後をよちよち歩く姿が見られました。
今年、環境が変わった彼らは繁殖をするでしょうか。こんなところにも影響が。
鳥たちの受難は続きます。