到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

赤いリボンのビビアン

園内の動物はすべて私の患者さん、爬虫類だって例外ではありません。
7月、グリーンイグアナの雌「ビビアン」の尻尾に大きな瘤が出来ました。

これは膿瘍といって傷が化膿して膨らんだものです。
爬虫類と鳥類では化膿した場合いわゆるウミが出るのではなくて、チーズのように硬い固まりになります。こうなると麻酔をかけて切除するしかありません。

さてここからが爬虫類ならではの気遣いが必要です。
変温動物のため、外気温が低いと体温も低くなり、代謝機能が衰えます。その状態で麻酔をかけてもなかなか効かず、また覚醒も遅くなります。
安全に行うには常に保温に努めることです。

暑い中、手術台にはヒーターが入れられ、冷房もオフに。
さて、切除した後の皮膚には大きな穴。ここでまた爬虫類独特の問題です。
皮膚といっても実は鱗。この頑丈な鱗はその特殊性ゆえ普通の皮膚に比べて再生にも時間がかかるのです。
再生を促進させる薬を塗布して後、女の子なので赤い包帯をしました。

あれから2ヶ月。少しずつ少しずつ、傷がふさがってきました。
あともう少し、この赤いリボンがビビアンのトレードマークかな?

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