到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

飛べるゆえの仕組み

先日、「シロトキ」が脚を骨折しました。
おそらく何かに驚いた弾みにぶつかってのことだろうと思います。

保護で持ち込まれる鳥にも翼や脚の骨折が多く見られます。哺乳類に比べて鳥は骨折しやすく、それは彼らが「飛ぶ」ことと関係しています。

飛ぶためには出来るだけ体を軽くしなければなりません。
体で最も重い器官といえば骨。特に重い頭骨はスポンジ状に発達し丈夫であるけれども軽い構造へ、そして翼や脚の骨は哺乳類に比べて薄く中はほとんど空洞でまるでストローのようになっています。

その代わり、翼と胸にははばたくための強靭な筋肉が発達しています。
また、全体重を支える後ろ足の太ももは重心を保つために体の中にしまわれ外からは見えません。そして背骨は硬く曲がらない一方、首は長く良く曲がり、哺乳類とはとても異なる構造です。

さてシロトキですが、ふくらはぎの部分が骨折していました。しかも複雑骨折。薄い骨をぴったり合わせて固定するのはなかなか難しく、残念ながら経過が長引いています。
けれども1本脚で上手に立って、エサも良く食べてくれています・・・まさに鳥だからなせる業ですね。

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