到津の森公園

獣医さんのお仕事 公園だより

雨が降るまで・・・

ここ何日もずっと天気の良い日が続いています。
空気が乾燥しその上朝晩冷え込むこの時期。足の裏がひび割れてしまうものがいます。細くて長くて赤い足の持ち主、クロエリセイタカシギです。

バードケージに80羽もの群れでいる彼ら。自然界では湿地や干潟にいて常に足が濡れている環境にあるのですが、ここでは芝生の上。
ひどくなると片足を上げたまま歩くようになります。治療のため捕獲したいのですが、相手は鳥。そう易々とは捕まってくれません。
しかも一緒に飼育している他の鳥たちが興奮してしまう為短時間で終えなければなりません。

網を持った五人の飼育員が小さな鳥に翻弄される様子を、お客さんも何事かと見物です。一番良いのが雨降りの日。翼が濡れると飛行力も落ちて格段に捕獲しやすくなるのです。

日曜日の朝、やっと雨が降りました。さて今日は楽に捕まえられるぞ、ニコニコと準備をしているといつの間にか雨が止んでいました。
見ると翼は乾いていつもの彼らに。
今日は3人きり、捕獲を試みても高く高く飛んでしまい結局中止にしました。

明日また雨が降ることを祈りつつ。

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