獣医さんのお仕事
益獣の子育て
ワイルド・ライフ・レスキュー 2003年9月 3日
持ち込まれた保護動物の子育てにひと段落の時期。
あとはとてもとても小さな哺乳類の赤ちゃんだけです。
現在の体重3.7g。カブトムシよりも小さなこの動物は、アブラコウモリの赤ちゃんです。
アブラコウモリは数あるコウモリの中でも家屋に住む変わりもので、別名をイエコウモリといいます。薄暗くなって飛んでいる姿を見かけたら大抵彼らです。
コウモリが天井裏に住んでいるので退治したい、との相談を受けますが、鳴き声も無く音も立てず大人になってもわずか8gの小さな動物です。残飯をあさった りすることはなく、食べるものは飛んでいる虫、特に蚊を食べてくれるため、古くから益獣とされ鳥獣保護法でも守られています。
そう説明して、なるべく暖かく見守っていただけるようにお願いしています。
さて保育中の赤ちゃんコウモリ、手に乗せると逆さにぶら下がって翼(皮膜)をなめて毛づくろいの後、翼を数回広げると、ぱたぱたと少しだけ飛べるようになりました。
成長すると超音波で飛びながら虫を捕らえるようになるのでしょう。そんな超小型高性能体のためにもう少し子育て、がんばらなくちゃ。