獣医さんのお仕事
遭遇!ツシマヤマネコ その2
獣医さんの日常 2003年9月19日
クラクションを合図に鳴らし、そっと車を降りて鶏肉を置きました。そして息を潜めて車の中で待つことに。
どきどきしながらじっと見つめていたその時「ほら、あそこ」指差すほうを見ると、まぎれもないツシマヤマネコがライトの光に浮かび上がりました
。
あどけなさの残る、まだ若い今年生まれの個体です。さっと餌をくわえると闇に消えて行きました。 丸い耳にふさふさの太い尻尾、短めの足、丸い瞳。その美しくかけがえの無い姿に思わず涙があふれていました。
その後同じ個体が計4回餌をとりに来ました。
ツシマヤマネコは深い山よりはむしろ人里近くの畑や雑木林を必要とする、トキと同じく里山の動物なのです。その未来は人との共存にかかっています。
案内の方が出会った大きなヤマネコ、それは運命を変えた出会いでした。それほど大げさではないにしろこの経験は今後どんな影響を私に与えるでしょうか?
あの姿がいつまでも対馬にあるために何が出来るだろうと考えながら対馬を後にしました。
この冬、ツシマヤマネコの写真展を到津の森公園で行ないます。
少しでも力になれれば、私の新たな目標が出来ました。