獣医さんのお仕事
遭遇!ツシマヤマネコ その1
獣医さんの日常 2003年9月19日
先日、対馬に行きました。
以前から見てみたいと思っていたツシマヤマネコに会うためです。
ツシマヤマネコは国際保護条約の最高ランクに位置する、対馬のみに生息する野生のネコです。体重4kg程度、家ネコくらいの大きさにまだらの模様に丸い耳、愛嬌のある顔をしています。
ヤマネコの調査と観察を20年以上続けていらっしゃる方を訪ねました。その方が魅せられたきっかけは、子どもの頃に山でトラのように大きなヤマネコ、言わばヤマネコの王に出くわしたためとのこと。
そして、すでに対馬の南半分は絶滅した可能性が高いこと、現在の生息地も民有林ばかりのため開発がいつ行われるかわからないこと、交通事故死する個体の多 くはその年に親離れした若い個体で、冬季のエサ不足により弱ったものであることなど、現在いかに危機的状況下にあるかをお聞きしました。
その方は保護と観察のために餌付けを行っていますが、警戒心が強く、他の人間が行くと姿を現さなくなるとのこと。
良い話を聞けただけで来た甲斐があったと会えない事を覚悟し、暗くなってから集落からいくらも離れていない餌付けの場所へと出かけました。