獣医さんのお仕事
到津の森
獣医さんの日常 2003年7月28日
すっかり梅雨、雨が降るたびにたくさんの「落し物」がでます。赤くて甘い「ヤマモモの実」です。
到津の森公園にはその名前にあるように、古い森があります。大木の多いこの森はいろいろな恩恵を与えてくれます。暑い夏には涼しい木陰を与え、桜をはじめとした季節を感じる野の花が心を和ませてくれます。
また、多くの野鳥にとっても大切な場所。春はメジロやヤマガラ、今はにぎやかなムクドリの群れ、秋はヒヨドリの大群が渡りの途中で過ごし、フクロウは年中やってきます。
そして、園内の動物たちへの食物の提供。椎の葉はキリンやゾウ、サルなどの重要な食餌、秋になるドングリは多くの動物たちの大好物。そしてこの時期、ヤマモモの大木が赤い実をたくさんつけました。サルはもちろん、ゾウやシマウマ、アライグマ・・・皆大好きです。
喜んでくれる動物たちの為にと大粒のヤマモモを夢中で拾っていると、どれもみな細い溝が付いていることに気づきました。野鳥たちの食べ跡です。どうやらおいしいところだけかじった様子。
きれいな施設だけでなく、この森がここの宝物。やさしい気持ちになって思いました。