獣医さんのお仕事
血液あれこれ
動物のからだ 2003年6月19日
人の場合と同じく、動物の病気の診断にも尿検査や血液検査、レントゲン検査に超音波や心電図検査といった検査を行います。
今回は特に血液検査、動物たちの血についてです。
動物だからと言ってもやはり同じ生き物、それほど違うものではなく、病気の診断の指標となる項目は変わりません。
ただし、その標準的な値や特徴などが少しずつ違います。例えば血液の主要成分、赤血球。哺乳類はみな顕微鏡で見るとドーナツ状の形をしていますが、鳥類や 爬虫類は目玉焼きのような形。もちろん働きは同じですが一見全く違います。このため哺乳類以外は血液検査機械で読み取ることが出来ず自力で計測しなければ なりません。
また同じ鳥類でも体の大きな種類ほど赤血球が大きくなります。ダチョウが最も大きいというわけです。
また、鳥類は血糖値の変動が激しく、人の3倍以上高くても正常な場合もあります。同じ哺乳類でもミーアキャットはコレステロールが高く、やはり人の3倍ほどが普通。
まだまだデータの少ない様々な動物たちの血。ミクロな世界から彼らの不思議を覗くのも獣医ならではのおもしろさでしょうか。