獣医さんのお仕事
アジャメの社会勉強
動物のからだ 2003年2月17日
マンドリル舎左端のほうをよーく見てください。
子どものマンドリル「アジャメ」がひっそりといるのがわかります。
アジャメは去年の3月に生まれたのですが、母親の「アジャ」が子育てを放棄した為飼育員に育てられました。
人に育てられた動物は自分を人間と思ってしまうのか、動物社会に適応できないことがあります。このアジャメも1頭づつとお見合いを重ねた末、なんとか群れに入れるようになりました。しかしまだまだアジャメ本人が怖がっている様子で、飼育員が来ると声を限りに甘えてきます。
群れの若いメス「アン」が気に入って抱っこしようとしますが、アジャメが怖がって抵抗した為噛まれることが何度かありました。
その度に私は呼ばれ、傷を縫った後「少々の傷なら私たちがいるから君は社会勉強しなさい」とばかりにまた群れに戻します。
幸いアジャメは傷口を触らず、薬もきちんと飲むので治りも早いのが救いです。
今日も手の平から出血、かまれた傷というよりあわてた際に硬いもので引っかいたような感じです。
まだまだ試練が続くけど、がんばれアジャメ!