獣医さんのお仕事
検疫クリアすれば仲間入り
動物のからだ 2003年1月15日
11日、3種類14羽のトキの仲間がやってきました。
バードケージにはすでに同じ仲間がいて、繁殖のために他園よりお借りしたものです。
けれどもすぐにそこには入れず、まずは別の獣舎で「検疫期間」を設けます。
動物を他へ移動すると持っている病原菌なども一緒に移動することになります。
逆に移動先で病気に感染する場合もあります。
特に大陸と海で隔たれている日本は海外に比べて伝染病が少なく、それを防ぐことはとても重要で、税関の中には伝染病のチェックやワクチン接種などを行う動物検疫所があります。
海外からでなくても、動物園ではどの動物に対しても移出入の際には自主的に検疫期間を設けます。
輸送時のストレスによって病気になることもありますし、健康状態や病原菌のチェックに加えて、当園の環境や食餌への反応を見ます。
何も問題がなければ1週間から10日で終了です。
来園日の翌朝、糞便検査のため獣舎へ入りました。びっくりさせないようにと、姿勢を低くそろりそろりと糞便を拾う様は、はたから見るとかなり怪しいもの。餌入れの中を覗くと餌がほとんど残っていません、まずは第一関門クリア。
さて3種のうち、ホオアカトキは真っ黒の体に赤いクチバシが「魔女の使い」のようで怪しい雰囲気を漂わせていますが黒を白にすると日本のトキとそっくりです。
もうすぐ「バードケージ」で元気な姿をお見せできるでしょう。
お楽しみに。