獣医さんのお仕事
おやつはあげないで!
動物のからだ 2002年11月12日
行楽シーズン到来。到津の森公園は毎日遠足の子供たちでにぎわっています。
ある夕方、マンドリルの担当者から連絡がありました。どうやら「アン」の右腕が動かないようです。檻越しに診察するとちょうど右の肘を力なく伸ばしたまま、かばうように歩いてます。腫れや関節に以上はない様子。捻挫のようです。
担当者と原因を検討しました。今日はとりわけ遠足客が多く、お菓子などがマンドリルを始め他のサル舎周辺に散乱していたとのこと。食べ物は与えないようにお願いしていますが、サルたちは手を伸ばしてねだりますし、ついついあげてしまうのでしょう。
さて、マンドリルはそのなかでも特に食いしん坊。我先に食べ物を取り合うこともしばしば。フェンスから腕を出した際に何かに驚いてあわてて腕を引っ込め痛めた可能性が一番考えられます。アンは子育て中でもあり群れで最も優位の個体です。一番おやつをねだったのでしょうか。
幸い次第に腕は動き回復の兆しです。
食べ物を与える弊害について、虫歯や下痢などからだの内部以外にもこんな影響もあることに改めて気づきました。
動物がものを食べている様子は心が和みます。 けれどもどうか・彼・ら・の・為・に餌はあげないでくださいね。