獣医さんのお仕事
ツバメを放す
ワイルド・ライフ・レスキュー 2002年10月 9日
野鳥の繁殖シーズンもひと段落。
保護で持ち込まれたツバメの雛鳥が成鳥になりました。
第1次隊(?)はすでに放野しましたが、この時期ツバメを見かけなくなったと思いませんか?今は渡りの準備のため特定の場所に集まり始めています。寒い冬 が来る前に集団で一斉に東南アジアへ渡りをするためです。おいそれとその辺に放してしまっては集合できず渡りが出来なくなります。
知り合いの野鳥の会の方々に相談すると曽根干潟がこの辺りではその集合場所で、夕方ねぐらになっている葦原に行けば仲間が来るとか。台風も降雨もしばらく大丈夫。
曽根干潟へと手塩にかけたツバメたちを放しに行きました。
日没間際、ツバメが数羽ちらほら飛んできました。葦原でツバメたちを放しました。リハビリのかいあって予想以上に力強く飛んで行きあっというまに見えなくなりました。
人に育てられたツバメの生存率ははっきり分かっていません。絶望的だという人もいますが、翌年きちんと帰ってきたというデータもあります。彼らは今、厳しい自然の生存競争に加わりました。
私はただその能力に賭け、祈るしかありません。
来年、きっと帰って来ることを。