名誉園長の部屋
園路
2011年1月23日
お客さまから、「到津は園内の案内順路がないのですね」と問われることがあります。
実はそうなのです。到津の森公園は南北に約400m、およそ10ヘクタール(3万坪強)の敷地です。しかし、最近の動物園(例えば、多摩動物公園は 60ヘクタール、よこはま動物園は40ヘクタール)は到津の何倍もある面積を有しています。このように広い動物園では、順路を示さなければ一日で見て回る ことも不可能かもしれません。
日本の庭園として有名な兼六園(石川県)は到津とほぼ同等の3万坪です。回遊型の公園ですから、順路らしい順路を示さず訪れた人の歩きに任せているようです。
私たちの園も、いわば回遊型と思っていただければ良いのかもしれません。つまり、人は行きたい所に行き、立ち止まることも自由なのだと。
私たちは同じ方向を向いて歩いてはいません。ある人は右に、ある人は左に、斜めに行くことも可能でそれが人の生き方を示しているのだと思っています。それがパーソナリティをつくり、個を認めていくことになるのだと確信しています。
何故か大げさな話になりましたが、到津の園路もご自由にお歩きください。ひょっとしたらその道は行き止まりになっているかもしれません。でも引き返すときにまた違った光景を目にすることがあるのかも。それも自由に歩く楽しみだと思います。
もし、一日で見られなければ、もう一度ご来園ください。新しい発見がきっとあるはずです。