動物たちのおはなし
8月10日にワライカワセミの姫(メス)が亡くなりました。
21歳という高齢でした。
お知らせが遅くなり大変申し訳ありません。
姫は2024年の2月下旬ごろから体調を崩しており、ファボスと比べると羽艶がよくなく、水浴びをした後の羽根の乾きも遅く、ヒーターの下で膨れていることが多くなりました。去年のこの時期は400gほどあった体重が300gを切るほど軽くなっていきました。
ヒーターの下にいてお腹が濡れている姫
そこで1度、姫を捕獲して病院で診察をしました。
麻酔をかけて血液検査、レントゲンを撮り
検査の結果、肝疾患の疑いがありました。
麻酔をかけて眠っている姫
治療として肝臓の働きを改善する薬と体重を増加させる目的で高栄養のフードを餌と一緒に投薬することになりました。
投薬が始まった頃は、餌のマウスの中に普段入っていない物が入っているからか、いつもより激しく叩きつけて中身が出てしまい投薬が出来なかったため、ミルワームにまぶしてあげたり、ピンクマウスの中に入れてあげたりと、いろいろ試していきました。1カ月ほどすると慣れてきて、食欲はあるため簡単に投薬できるようになりました。
4月5月は体重がなかなか増えませんでしたが、羽艶も少しづつ良くなっていき
活力も増してきました。
姫にプレゼントをしたいファボス(左)咥えているからとれない姫(右)
6月になると体重も300g近くまで増えて元気になり、飼育員が前を通ると
餌まだ~?と飛んでアピールするなど食欲も増していきました。
元気になってきたモフモフ姫
7月初旬は食欲はあったのですが体重が300gを超えることはなく、280gほどの日が多くなりました。いつもいる場所がヒーター下の台や、地面など下の方にいることが多くなったりと活力も6月と比べると落ちてきました。
7月の28日に姫の左趾の第一指と第二指の間が腫れているのを確認しました。腫れていたものの痛がっていたり、左趾を庇ったりする行動は見られず、活力が落ちてきていたのもあり、捕獲して診察をするか悩みましたが、日に日に少しずつ活力が落ちていったため、これ以上進むと捕獲に耐えれなくなることを判断し診察をすることに決めました。
左趾の内側が腫れている姫
診察の結果、左趾は趾溜症だったことが分かったため、治療として抗生剤の注射とこれ以上悪化させないためにヒビテン消毒マットによる趾の消毒、よく止まっているところにマットや紐を巻き趾の負担を軽減することにしました。
8月9日の日中は前の日と変わらず下の方にいて、膨らんでいたのですがピンクマウスを3匹食べていて食欲は少しある状態でした。16時30分頃、姫ちゃんの容体が急変し頭を下げている状態に、すぐに病院に移動をして、補液、強肝剤、ビタミン剤の注射とブドウ糖を経口であげましたが、この日は頭が上がることはありませんでした。
8月10日の朝一に病院へ行き姫ちゃんの様子を見に行くと頭が上がっていました。朝から作業の合間を見つけては姫ちゃんの様子を見に行くと頭が上がっていたり下がっていたり、自分で移動したりしていました。13時30分頃にそっと覗くと頭をあげていてこちらを見てから頭を下げてじっとしていました。14時頃は壁に寄りかかり休んでいる様子でした。14時30分頃に姫ちゃんのところに行くと亡くなっていました。
解剖の結果、肝不全と腹膜炎が疑われ、後日、病理検査の結果、肝臓に悪性腫瘍があり肝機能の低下が死因になったことがわかりました。
姫ちゃんにお花と写真をいただきました
最後になりましたが、姫が来園当時から見守っていただき、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
ワライカワセミ担当 福島 小林