動物たちのおはなし
「レッサーパンダのすくすく物語」の続編として綴ってきた「いとうづレッサーびより」は、今回をもちまして最後となります。長きに渡ってご愛読いただきました皆様に感謝いたします
一身上の都合により、年内をもちまして退職することとなりました。レッサーパンダの担当となり7年。その前に関わった年数も入れると約10年間、到津のレッサーパンダたちを見守らせていただきました。可愛いだけじゃないレッサーパンダのことをもっと知って欲しい、飼育員がどんな事を考えながら動物たちを見守っているのかを伝えられたらという思いから、このブログを始めました。すくすく物語と合わせると82回の更新を行いました。飽き性な私にしては、頑張った方だと思います
ぼちぼちの更新でしたが、「楽しみに読んでますよ」「いつも情報ありがとうございます」との応援の声に励まされました
ブログの効果なのか、到津のレッサーパンダは全国津々浦々(は、言い過ぎ)の皆さんに暖かく見守っていただけていると感じています
さて、最後の話題は何にしようかしら。
まずは、これ。第5回みんなで育てる動物舎「レッサーパンダ舎の壁づくり」で行った、杉板と垂木の塗装。覚えていますか?あれから約2ヶ月たち杉板たちはこんなふうに
新レッサーパンダ屋外運動場
完成記念に中嶋飼育員にイラストを描いてもらいました
新レッサーパンダ屋外運動場の飾り板となりましたこうやって見ると、周りの景観に合ってきたのではないかと思います 時間を見つけて少しずつ作業していたので、遅くなってしまいましたが、全ての材料(杉板100枚と垂木30本!)を使いきることができました力を貸していただいた皆さんに感謝です。本当にありがとうございました
材料費の高騰で資材が買えず、覆えなかった部分もありますが、とりあえず形にはなったかなと思います。私の最後の大仕事となりましたこんな大工仕事ができるのも飼育員の仕事の楽しさでもありました
そして、最後の最後は、伝えたいこと、伝えきれなかったことはたくさんありますが、やっぱり到津レッサー達のことで締めたいと思います
まずは、凌凌。
凌凌
年はとってきましたがまだまだ、元気な凌凌。今年も最後の望みをかけてアシタバとペアリングしています。大体、朝一から朝ご飯までの1時間程度同居して、様子を見ているのですが、昨年のような一触即発な雰囲気はなく、今年の同居はとてもスムーズ。ケンカすることもなく安心して見ていられます
凌凌は、アシタバが気になる様子で、仕切りの扉を開けるとすぐにアシタバの部屋に行って、ウンチの匂いを確認しています。まだ、シーズンではないのでそんなに大きな変化はないのですが、アシタバも近くに凌凌がきても気にする事なく過ごしています。
アシタバの部屋に入り待ちの凌凌
にらみ合い?にも見えますが、ケンカはしません。(上:凌凌 下:アシタバ)
そしてタバちゃんことアシタバは、
デッキでくつろぐアシタバ
寒さが厳しくなったこの頃は、モフモフ度も上がり、ダイエットの効果も少しずつみえ、7.5㎏→6.2㎏まで体重を落とすことができました
フィーダーと格闘するモフモフなアシタバ
頑張っているタバちゃんですが、本格的な発情期を迎えるまでにあと200g落としたいところですがんばれーさて、寒くなってからは新運動場に出る事も増えてはいますが、安心する屋内運動場で寝ていることが多く、なかなか新運動場にいる姿を見れない方も多いと思いますが、アシタバの好きなように過ごさせていますのでご理解いただけるとうれしいです。最近は、夕方にデッキの最上部で寝ている事が度々あります。閉園時間が近づいてもスヤスヤと眠っているので、帰ってくるかしら?とこちらはドキドキしています…今のところリンゴに釣られて帰ってきてますがアシタバと凌凌のペアの今後を見守っていただけたらと思います。
野風さんは、
お気に入りの場所からこちらを見ている野風
寒くなってくると動きが鈍くなり朝の健康観察の時間に表情が悪いことがありました。そこで、昨年から夜間に暖房を付けています今年も寒くなってきたので、早めに暖房を入れました。そのおかげか、朝も早起きで、よく食べ、よく動いてくれていてホッとします雪の日は室内運動場にも暖房を入れて、野風の体調に配慮することができました。個体に合わせて温度調節ができるところは単独飼育できる環境があってこそですね。年はとってきましたが、野風のペースでのんびりと過ごしてくれています。
最後に笑笑。
寝起き?の笑笑
笑笑は、飼育員の好き嫌いがはっきりしています。何を基準にしているのかさっぱりわかりません
引き継ぎを兼ねて、採血トレーニングを一緒に今田飼育員と行いました。ちょっと難しい性格の笑笑ですが大好きな今田飼育員がいれば大丈夫あま~い表情でトレーニングを頑張っていました
大好きな今田飼育員と
笑笑は、レッサーパンダの色々なことを私に教えてくれた存在です。手の平に乗っかるほど小さかったのに本当に大きく育ってくれました笑笑がいたからこそ、野花を育てる時、どうすれば心も体もレッサーパンダらしく育つことができるのか考えるきっかけとなりました。そして、レッサーパンダの介添え哺育を行い無事に成長させることができたのです。
アシタバとは上手く行きませんでしたが、その不思議な笑笑にしかない魅力で、笑笑らしく過ごしてくれたらなと思います。
新人の大山飼育員もレッサーパンダたちとの距離を縮めるべく頑張ってくれています
アシタバと…
野風と…
頼りになる仲間に恵まれて、安心してレッサーパンダや他の動物たちのことをお願いできます
最後に到津レッサーズを応援してくださった皆さん、これまでありがとうございました
これからもレッサーズと動物たちを見守っていただけると嬉しいです
では、良いお年をお迎えください