動物たちのおはなし
こんにちは。ニイニイゼミやアブラゼミが鳴きはじめてもうすぐ夏!
私たち飼育員も汗だくになる日が多くなってきました。
到津の森公園は6月27日~29日まで休園日でした。
休園日には、普段なかなかできない作業をおこなったりもします。
今回は3か月前から計画していたアムールトラのミライの健康診断のおはなし
ミライは数年前から前足を痛そうにしたり、かばうように歩く様子(跛行)を確認しています。
ミライは今年で12歳、アムールトラの寿命を考えると高齢になってきました。
日によって良かったり、悪かったり、ムラがあるので、加齢性の慢性関節炎を疑い、
関節のサプリメントを試してみたり、痛み止めを与えてみたり…。
同時に、寒い時期だと麻酔による体への負担が大きいので、暖かく、検査の時間がしっかりとれる
6月の休園日に健康診断をしようと決め、検査に向けた体重測定トレーニングをおこなってきました。
(ビビりなミライは板を怖がりトレーニングが進まない…!この話はまた後日)
そして6月29日。健康診断をおこないました。
私は飼育員になって5年目、大型肉食獣の検査ははじめてでドキドキしました。
麻酔を打って、眠ってもらって…
動きがないことをしっかりと確認して、部屋を解錠しトラと同じ空間へ。
本当に起きないだろうか…。
呼吸数も安定して、麻酔もしっかりかかっている様子。
それでも、大きな体や、立派な牙を見るとやっぱりドキドキします。
ここからは計画通り、手早く検査を進めていきます。
獣医と飼育員と皆で協力してレントゲン撮影、採血、触診などなど
レントゲン検査の様子
普段は見えない足の裏までチェック!大きな肉球ですね!
これは絶好のチャンス!と、いろいろな部分を観察しました。
検査が終わったら、覚醒の準備。
検査中は起きたらどうしようでしたが、
次は目覚めなかったらどうしよう…という不安がよぎります。
とてもスムーズに麻酔から目覚めました。よかった!
検査結果は、まだ詳細を確認・診断中の部分もありますが、大きな病変や怪我等はない様子。
脚はやはり加齢性の関節炎の可能性が高いようです。
加齢性の関節炎は完治ができないため、これ以上痛みがでないようにケアしながら付き合っていく病気です。
今回の検査結果をミライにとって、より良いケアができるように生かしていきます。
また、動物園は「研究の場」でもあるのでこういった症状の緩和・改善に少しでも知見が得られればいいなぁと思います。
お手紙等もいただき、心配されている方もいらっしゃるかと思います。
引き続きミライの応援よろしくお願いします。
トラ担当チーム くどう