動物たちのおはなし
みなさんこんにちは
『飼育員に聞いてみよう!!』の回答です
今回はゾウについていただいた質問に答えていきたいと思います
・セイロンゾウのサリーちゃんとランちゃんについて、過去にあった2頭の間のケンカについてどういったものだったのでしょうか?
・現在2頭は午前と午後、交代で運動場に出ていますが、今でも2頭の同居は難しいのでしょうか?
・セイロンゾウのサリーさんとランさんについて、かつて2頭は闘争トラブルがあって、2頭一緒にではなく交代で運動場に出るようになったと伺いました。時を経た2頭の関係性はどんな感じですか?
質問にまとめてお答えしていきます
到津の森公園で暮らすサリーとランはセイロンゾウのメスです。
現在サリーは45歳、ランは44歳。
2頭は血のつながりこそありませんが、小さなころからずっと一緒にいるので本当の姉妹のように暮らしてきました。
小さなころは1歳はなれているだけでも力や体格の差が大きく、上下関係も2頭の中ではっきりしていました。
しかし、成長していくにつれて、体格も2頭変わらなくなってきました。
そして今から10年前の2012年。
サリーとランの間で少し大きなケンカが起こりました。
ランがサリーを運動場の前にあるモート(堀)に落としてしまったのです。
その事故のあった少し前から体をぶつけあうような力比べが頻発していたようで
何が原因か、はっきりとはわかっていませんが、2頭で力比べをしていた延長ではないかと考えています。
そこから、再び一緒に運動場に出られるように、監視体制をとりながら練習したのですが
激しい力比べが続き、しばらく繰り返してしまうようになりました。
野生ではゾウ同士で力比べをしても、ある程度決着がつけば落ち着くようですが、
到津の森公園には2頭の決着がつくまで、納得するまで、力比べをさせてあげられるスペースがありません。
また、2頭とも高齢になってきたので、また同じような事故が起きてしまえば、
大きなけがをしたり、そのけがが命にかかわることもあります。
このような事故があり、それ以来決着もついていないことから
運動場で日中一緒にしてあげることは難しいですが、
今のサリーとランにとって、より良い環境にできるよう、尽くしていきたいと思っています。
(左:ラン、右:サリー)
少し長くなってしまうので、今回はここまでにして…
現在のサリーとランの関係性については次回のブログでお届けしたいと思います