動物たちのおはなし
里のいきもの館や、そのまわりにひろがる里山ゾーンのいきものや自然についてお伝えする「里のいきものだより」。今回は、春を感じたおはなし。
三寒四温のこの頃、まだ作業中に寒くて手がかじかむこともありますが、少しポカポカする日もでてきて、じわりじわりと春がやってきているのを感じます。
春がきた!その1【フキが咲き出しました!】
小学何年生かの時に国語で習った『ふきのとう』のお話。雪の下からが顔をだすふきのとう…。私は見たことがなかったので、「雪国にはこんなのがあるんだなぁ」と思っていました。
昨年の春、歩いていたら…
ん?
あれ…、これって、あのお話にでてきたふきのとうじゃん!北九州にも生えてるじゃん!
衝撃を受けました。九州にも生えていただなんて…。
私はお話のイメージで勝手に雪国の植物と思っていましたが、調べてみると全国的に分布している植物だったのです。
ふきのとうは【フキ】の花やつぼみを指します。
葉はこんな感じ。大きさは葉っぱによって差があります。(野帳は16.9cm×9cm)
フキには雌雄があります。花であるふきのとうを観察すると雌花か雄花なので、どちらか分かります。
また、フキは葉と花を別々の茎につける植物です。薹(とう)が立ったふきのとうは、花を咲かせ、種子をつくり、役目を終えると枯れていきます。ふきのとうは成長してもフキの葉にはならないのです。
(これはヨメナ。こんな感じで花と葉って同じ茎についてるイメージじゃないですか?)
ふと見つけたふきのとうに大興奮した私は、摘んで、天ぷらと蕗味噌にして食べました。大人の味でした。実はフキには毒があります。水にさらしたり、ゆでこぼしたり:アク抜きをすることで毒を減らして食べることができます。地下茎(土中にのびる茎)や根は毒を多く含んでいるらしいので、食べないようにご注意を。
※フキの毒成分はフキノトキシンといいます。
※私は他の野草を食べて発疹ができたことがあります。体質等によって合わないこともあるかもしれません。野草を食べる際は自己責任で。また、よく似た植物も多いです。なかには危険な植物もあります。しっかりと種類を調べることが大事です。
ちなみにこちらは【ツワブキ】
おなじ「フキ」と名前についていて、葉の雰囲気も丸いところが似ていますが花は全く異なります。
花は秋~冬に咲き、黄色いお花がつきます。春はもう綿毛の時期です。
(ツワブキも食べたことがあります。まだ毛におおわれている新芽(葉)をアク抜きして、皮を剥いで佃煮にして食べると美味しいです。)
そんなフキは園内にも生えていて、ふきのとうが今年も地面から顔をのぞかせはじめました。
(9年前のブログでもチラっと紹介されていました。)
みなさんにみてほしいので私は採りません。食べません。(笑)
ぜひ、どこに生えているかなー?と探してみてください。
これから、園内はミモザがとってもきれいな時期になります。
ミモザフェアについてはこちらから
(今年はミモザの開花が昨年より遅れています)
ミモザもおすすめですが、みなさんの足元の植物にも目をむけてみると、グッとくるものに出会えるかもしれません。ぜひぜひ身のまわりの春を見つけてみてくださいね。
春がきた!その2【2月末、郷土の里山の入り口のビオトープにて発見!】
なんの卵かな?
ビオトープにあります。これからどんどん変化していくでしょう。
みなさんが観察できるよう、採らないようにお願いいたします。
長くなってしまうので、続きは里のいきものだよりVol.4でご紹介します。
参考:原色野草観察検索図鑑(1981)長田武正
くどうさくらこ