到津の森公園

動物たちのおはなし 公園だより

里のいきものだよりvol.2

里のいきもの館や、そのまわりにひろがる里山ゾーンの

いきものや自然についてお伝えする「里のいきものだより」。

今回は、前回のフィールドサインからのおはなし。

前回の里のいきものだより vol.1はこちらから

 

この痕跡を残した犯人、つきとめましたか?

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どんないきもの?なんのあと?

 

ズームアップするとこんなかんじ。

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(よくみると櫛のような形になっている)

どうですか?

 

正解は…

カタツムリかナメクジがコケを食べたあとでした。

カタツムリとナメクジはどちらも陸上にくらす巻貝の仲間です。

どちらも同じような食痕を残すのでどっちというのは、今の私には難しいです。

 

里のいきもの館には、カタツムリがいます。

と、いうことでカタツムリを観察してみましょう。

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このカタツムリの名前を図鑑で調べてみました。コベソマイマイとして公開してきましたが、調べれば調べるほど違う気がしてきました。ツクシマイマイ

 

調べながら、ふと思いました。多くの人が「カタツムリ」と呼びますが、実はその名前で図鑑には載っていません。図鑑に載っている名前は、■■マイマイで、■■カタツムリという種はいないのです。(例えば「アフリカマイマイ」とはいっても、「アフリカカタツムリ」とはいいません。)

童謡には「でーんでん、むーしむし、かーたつむりー♪」とでてきます。

「カタツムリ」「デンデンムシ」「マイマイ」

私の知っているかぎり3つの呼び名がありますが、これを「マイマイだ!」と呼んでいる人を、私はまだ見たことありません。図鑑に載る名前「マイマイ」が一番普及していないのではなかろうか…。そういう文化的な部分でもおもしろいいきものだなぁと思ったりしました。それぞれの名前の由来も調べてみるとおもしろいです…が、長くなってしまうのでここでは割愛。

 

(以下、せっかくなので、このカタツムリをマイマイとよんでみます。)

出ん!出ん!出てこい、マイマイ!

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殻からでてくるときは、しっぽの方からでてくるんですね。

さて、食べる様子を観察してみました。

マイマイの口はこんな感じ。

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上の茶色い部分は【顎板】

その下に、にょろんと出てくるのが【歯舌】

歯舌には小さな歯がたくさん並んでいてやすりのような構造しているそうです。

その歯の数、なんと1万本超え!!

(ヒトは32本:親しらず4本も生えている場合)

マイマイは、世界一歯の多い!いきものだそうです。

 

マイマイ、エサ(今回はガラスにプレコフードを塗布)をハミハミしながら進みます。

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口(歯舌)は上下のうごきで食べ物をなめとり(こさぎとり)、

頭は横移動していき、ある程度までいったら反対方向へ。

そして体は徐々に前に進んでいきます。

だから最初の写真のようなグネグネ模様になるんですね。

 

ひとつ不思議も生まれてしまいました。

この食痕をみつけたとき、進行方向について考えていました。

私は「櫛の先のようなとがっているほうが後ろだろう。」と思っていましたが、

食べ方をみているとちがう…?これは顎板・歯舌どっちがつけた痕…?

これはマイマイが食べている現場を押さえないとわからない気がします。

(あー、マイマイを連れていって試したい…。)

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観察してたら、私の携帯の写真フォルダが…

マイマイまみれになりました。

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そのくらい、口の動きだけでもじぃーっと観察してみるとおもしろいです。

 

ありがとう、マイマイ。

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いきものをさわったら手をあらいましょう。

参考文献:

 『カタツムリハンドブック』(2015)武田晋一・西浩孝

 『キュウシュウシロマイマイ2亜種の軟体部形質の比較』(2012)増野和幸・鳥越兼治

 

くどうさくらこ

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