動物たちのおはなし
オウムだより-32- フィーダー➀
2021年11月28日
前回の続きです。
勢いよく段ボールに頭を突っ込むリー。
段ボールだけでも頭を突っ込んだり、中に入って内側から壊したり、中から木片を取り出し壊したりするのですが
実は更なる仕掛けをしています。それが…。
大きな段ボールの中に、大好きなヒマワリの種を入れた小さな段ボールが入れてあるのです。
大好きな餌をなぜ隠すの?いじわるしないでそのままあげた方が喜ぶのでは?
と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、お皿に直接入れるとオウムもそのまま食べられ、私たちも手間なく楽です。しかし、そうすると大好きな餌だけあっという間に食べ終えてしまいます。
野生では餌を探すことに1日の大半を費やしますが、動物園のオウムたちは楽に餌が手に入る分、暇な時間が生まれてしまうのです。
段ボールに餌を入れるだけで、段ボールを壊さないと食べられなくなりますし、段ボールに入っていることはもちろんオウムたちは知らないので、壊してみたら「あれっヒマワリの種だ!」となっているのかもしれません。いずれにせよ、食べるまでに時間がかかります。
このように、時間をかけて食べてもらったり、どのように取り出せばいいか考えたり、動物本来の行動を引き出すために役立つ”エサ入れ”のことを動物園では”フィーダー”と呼んでいます。
これから数回に分けて、様々なフィーダーのお話をしていこうと思います。
ちなみに…上の段ボール&フィーダーは数時間でこのようにボロボロになります。