動物たちのおはなし
HPでお知らせしたように、凌凌・野風を交代展示とすることになりました。
当園では「種の保存」を目的としてシセンレッサーパンダの繁殖に取り組んできました。
凌凌・野風ペアの間に2015年に♂の笑笑、2017年に♀の野花が誕生し、成育しています。
今期も継続して繁殖を目指していくための準備を進めていましたが、以下の理由から繁殖を制限することにしました。
1.日本国内のレッサーパンダ飼育状況から
適正に飼育できる頭数の上限が近づき、繁殖しても数年間受け入れ先の確保が難しくなっています。
2.野風の健康面として
過去の野風の繁殖では、数度の流産や、発情が来ないシーズンがありました。このことから野風には何らかのホルモンの異常があると考えています。
また、出産時や育児期には原因不明ですが、あえぐような呼吸を
起こし、そのため自力での育児が難しくなっていました。
野風にとっては妊娠・出産・子育てが体に大きな負担となっています。
以上のことから、国内全体のレッサーパンダの飼育状況、そして野風の健康面を第一と考えて繁殖を控えることにしました。
野風と凌凌は、通年同居を行っており、例年、秋から3月頃まで仲良くじゃれあって遊ぶような姿が観察されます。
このような仲睦まじい様子を見ていると、2頭を別々に飼育してしまうことは心苦しいです。
しかし、ホルモン剤等を使用した繁殖抑制は、野風の身体に負担をかけてしまう可能性があることから、繁殖期が終了する5月頃まで、交代展示とすることにしました。
また、先にお知らせしていました
笑笑・アシタバペアについても今期の繁殖は行わず、
次回の繁殖に向けた準備期間(発情の把握など)にしたいと考えています。
レッサーパンダは絶滅危惧種に指定されていますが、飼育の目的を繁殖だけにとどめず、現在の飼育個体の健康管理や福祉の充実にも力を入れることで動物園として伝えることがあるのではないかと考えています。
今後も、レッサーパンダの健康と幸福を大切にしていきますので
どうぞご理解の程よろしくお願いいたします。
右:凌凌 左:野風