動物たちのおはなし
獣医だより①
2020年9月 8日
アライグマのチロルについて
現在、「アライグマのチロルがいないな?」と思われている方がいるかもしれません。
チロルは7月11日の朝、突如体調をくずしてしまいました。ふらつきがみられ、今までスイスイ登れていた階段も、登る途中で後ろ足が落ちてしまい、しりもちをついてしまう状態でした。
すぐに検査をしたところ、重度の貧血と低血糖がみられました。実は、6月に健康診断をした際に、チロルの体の中にいくつかの異常を確認していました。しかし、その時は血液検査では異常がなかったので、症状と合わせても急性のものと思われました。この日から、自力で食べられなくなってしまったのですが、犬猫のようなペットと異なり、動物園で生まれ育っても野生動物。人に触られたり、処置をされたり、さらに詳しい検査をすることはチロルにとって大きなストレスとなってしまいます。
私たちは、チロルに飲み込む力がある限り高栄養のエサを口に入れるなど、チロルに負担をできるだけかけない治療をしていくことにしました。日に日に状態は悪くなり自力で歩くこともできなくなりました。4日目には頭を上げることもできず、飲み込めたものも吐いてしまう姿に、もう厳しいかと覚悟をしました。
しかし、ここからチロルは“生きる力”を見せてくれたのです!
長くなりそうですので、続きは次回に。