動物たちのおはなし
暖かい陽気で到津の森公園のサクラもきれいに咲き始めました
今年の冬はそれほど寒くなかったおかげで、チンパンジーたちはみんな風邪もひかず元気に過ごしていました。
チンパンジーたちの運動場の植物も枯れることなく、
参照:みどりの月間で~す^^*
新しい芽がたくさんでて、それを目にとめてはプチプチとつまんで食べていました。
(グミの木の葉を食べるキララ)
(八朔の枝?をつるつるにして食べるキララ)
キララは枝葉をそれほど好んで食べないと思っていたのですが、やわらかい笹の葉やグミの葉などをよく食べていました。
柑橘類の葉っぱはみんなにも人気で、少し生えてくるとあっという間に食べていきます
先日のアーモンドの木もおいしそうに食べていましたね
植物は食べるだけではなく、こんなこともします
これはシマトネリコの枝を使ってキララが自分で作ったベッドです。
柔らかくてしなりのある枝を折ってきてきれいに作っていました。
よく見ると、笹もまじっていますね
人工保育という人に育てられた経験があるからか、キララとクララはなかなかこうしたベッドを作りません。
コンクリートのつるつるした平らなところで寝るのが好きなのですが、ほかのチンパンジーたちの様子を見て学習し、こうしたベッドをつくるようになりました。
動物園の限られた空間ですが、多様な選択肢と仲間たちがいることで、チンパンジーとしての生活ができるようになることは、私たち飼育員にとってもとてもうれしいことです
クララとユパも元気です。
最近では、ユパがクララから少し離れて遊ぶようになりました。
クララがユパを抱いていても、のけぞったり、ぴょこぴょこ立ったり座ったり、手足でバシバシたたいたりとなかなかじっとしていません。
(クララに抱かれてエビぞりのユパと寄り添うキララ)
(歩いていてもエビぞりで大変そう)
(見るものすべてに興味津々のユパ)
(落ち葉のモミジを手に取るユパ)
(子どもはお母さんが食べているものをじっと見て学んでいく)
そんなユパなので、クララはお部屋のなかで食事をする際、金網にユパをはりつけて
(最近登るのが上手になってきました)
ご機嫌な様子を横目に食べ物を集めているようにも見えます。
ただ、しっかりと目は離さず、危なそうなものが近くにあるとそっと動かしたり、
(目を離さないクララ)
ユパの腰あたりに手を添えたりして、しっかりと見守っています。
ユパ自身も金網にのぼって手でたたいたり、地面に足をつけて立ち上がったり、食べものを手でつかんで食べるなど日々成長が著しいです
ユパが生まれて以降、メンバーを入れ替えながら群れを再構築しているところです。
人間でもそうですが、他者と関わることは時にいさかいを起こすこともあります。しかし、寄り添い、関わりあい、学びあうことでチンパンジーとしてより豊かな生活が実現できると考えています。
多少の問題や喧嘩は自分たちで解決できるよう、辛抱強く見守りながら、これからも彼らが幸せに暮らしていけるよう、寄り添っていきたいと思っています。