動物たちのおはなし
5月21日、レッサーパンダの野花が神戸市王子動物園へと旅立ちました
前日までの雨と打って変わっての快晴
野花のお嫁入りを祝福するかのようなお天気でした
当初、21日の午前中搬出予定だったのが、午後に変更になったので
午前中少しだけ野花を展示場に出すことができました。
私は見ることができなかったのですが、最後に屋外放飼場を大ハッスルして
走り回っていたそうです
そして、到津で最後になるごはんも
いつも通りに体重計に乗る野花。
リンゴを手渡ししながら、
「元気でね!」「野風みたいなお母さんになるんだよ。」と伝えました
そのまま、全てのリンゴを手渡しであげて、私のお別れはおしまい。
さぁ、次は野花を無事に送り出すことが最後の大仕事です
練習の時とは違うケージ。すんなり入ってくれるのか
不安に思いながらも、野花が待つ寝室へと運び込みます。
野花がケージに入るのを嫌がれば、出発時間も遅れてしまいますし、
何より無駄に興奮させて余計なストレスをかけたくありません
「いつも通り、いつも通り…」と平常心を保ちながら、野花を誘導します。
見慣れない真新しいケージに「???」が付いてる野花。
しかし、リンゴを見せると近寄ってきて中へIN
そのままモグモグと食べてくれました
移動中に食べてもらう竹の葉も入れて、扉を閉めて、無事完了です。
あとは、車まで運び出すだけ。
実は、この日は開園日でしたので
野花の門出を見届けようと集まってくださっていた方々も一緒に
駐車場まで移動しました。
ちょうど、居合わせたお客様は、「何?何?」と興味深々。
「レッサーパンダが神戸にお嫁に行くんですよ。」と伝えると、
「そうなんだ~行ってらっしゃい!元気でね!」の声が
そして、車に積み込まれる野花。
時折、「ガッガッ!」と威嚇の声を出しますが、思っていたよりも落ち着いていました
道中のお弁当にと、リンゴを。
そして、皆さんからお寄せいただいた野花へのメッセージカードは
こんな感じにアルバムにまとめ…
ファンの方からの写真集や写真たても一緒に、
野花は神戸に向けて出発しました
野花を見送り、振り返るとそこには涙ぐむみなさんの姿が
「何、泣いてるんですか野花の門出ですから笑顔で送り出さないと」
と、私
(そんな事を言っていたくせに、その日に仕事帰りにふと空を見上げたら
涙がこみ上げてきたことは内緒です)
今日集まってくださった皆さんも、
来ることができなかった方も、
今まで野花に会いに来てくださった方も
本当にありがとうございました。
たくさんの方に成長を見守られてきた野花は本当に幸せ者です
神戸でもきっと愛されること間違いなし
翌日、王子動物園から野花が無事に獣舎に入った連絡を受け、
そして、SNSの野花の写真を見てやっと安心することができました
これで、私たちの介添え哺育の挑戦は終わりました。
このバトンは王子動物園のスタッフの方が受け取り、
そしていつの日か野花がお母さんになる日を楽しみに待っています
な~んて、最終回みたいなブログになりましたが、
今後ももちろん発信していきますよ
最後に…
野花、元気でね
野花から教わったことを忘れずに過ごしていくよ
ありがとう野花
育った巣箱とパチリ