動物たちのおはなし
順調に成長しているノリンちゃん
*8月29日撮影
いつも保育器の中で過ごしているノリンちゃん。今まではさらに小さな箱の中にいたのですが、最近は手狭になってきたので箱をどけて、保育器の中を自由に動き回れるようにしてみたところ…
ハイハイしながら自分の好きなところに移動して寝ているようです
*保育器の隅っこの壁に顔を押し付けて寝ています。
こんなところで、苦しくないのかな~と思うことも
さて、今回は、ノリンちゃんが生まれるまでを振り返ってみたいと思います
昨年は、交尾自体が観察されず、残念な結果となったリンリンと野風ペア。
今年はなんとしてでも赤ちゃんをと強く願っていたのですが、
この時期、頻繁に観察される2頭の「恋あそび」(繁殖期によく見られるジャレ合いをそう呼んでいます)もほとんど観察されず…
もしや、クスクスで繁殖ストップとなるのかと心配していた、
その矢先の3月17日に交尾を確認しました
朝から特に変わった様子も見られず、いったいどこでスイッチが入ったのか
そして、その翌日にも交尾が確認されたのです
*3月17日の交尾の様子
その後、野風の腹部を超音波エコーで検査して確実に妊娠しているのか、
診察をしてもらうのですが、これが意外とわからない
お腹の赤ちゃんの心臓の鼓動を確認できたのは7月に入ってからでした。
双子を出産することが多いレッサーパンダですが、今回は二つ見えている胎嚢(たいのう)の一つが空っぽ。
つまり、赤ちゃんは育っていないようでした
*空っぽの胎嚢。この横にも胎嚢がありました。
しかし、その隣の胎嚢の赤ちゃんは検査の度に大きく育っていました。
そうこの赤ちゃんがノリンちゃんなんです(写真が無くてすみません)
レッサーパンダの妊娠期間は平均128日。
クスクスは123日目、そしてその前の年に誕生して5日間しか生きる事の出来なかった赤ちゃん(名前をヌクヌクと名付けていました。)は121日目で生まれてきました。
今回も120日前後で生まれるかもしれないと、早くから出産の準備を進め、
まだかまだか…と、待っていたものの、120日目がスギ…128日目もスギ…さらに130日目もスギ…もう待ちくたびれたと思っていた
136日目の朝ノリンちゃんが誕生しました
赤ちゃんが無事に生まれるまでは、(生まれても安定するまでは)担当者としては、休みの日もすぐに駆けつけることができるようにし、代番(主担当者が休みのときに代わりにお世話をする人)のスタッフも、自分の担当の日に生まれたらどうしよう~と、気が気ではなかったそうです。
しかし、私の出勤日のその日モニター越しに巣箱に入っている野風を見て、
そして元気に動いている赤ちゃんを見て、やった~という気持ちと同時にやっとホッとすることができたのでした
*生まれた日
無事に生まれてきてくれて、ありがとう
次回は、ノリンちゃん成長の様子をお伝えします