動物たちのおはなし
7月31日午前6時10分
レッサーパンダの野風(ノカゼ)が元気な女の子の赤ちゃんを出産しました
*生まれた日の赤ちゃん
昨年は出産しませんでしたので、笑笑(クスクス)以来、
2年ぶりの赤ちゃん誕生です
笑笑もお兄ちゃんになったんですね~
さて、その赤ちゃんの様子は?というと、
現在、人工哺育にて順調に育っています
誕生時から観察を行っていたビデオカメラの映像では、
野風は巣箱にこもり赤ちゃんをよく舐め、
授乳している様な姿も確認されていました
*わかりにくいですが、右端の細長い白いのが赤ちゃんです。野風のお乳を探しています。
しかし、過去の出産・育児の例から野風が無事に赤ちゃんを育て上げることができるのか?という不安もあり
餌を食べにパドックに出ている間に、赤ちゃんの体重や体温を測りつつ様子を見守っていたのです
(野風は普段からのトレーニングのおかげか、赤ちゃんを触っても嫌がるそぶりをしないので助かります)
出生時127gだった体重は時間を追うごとに減り続け、
(生まれて2~3日は自然に10%程度の体重の減少がみられますが)
体重の減少は時間が経てば経つほど大きくなっていきました
もしかして野風のお乳が出ていないのではないか?
そこで、野風の乳首を絞ってみると若干ですがお乳がにじみ出てきます。
しかし、どうにも赤ちゃんが飲むには足りていないようなのです
このまま野風に任せておけば赤ちゃんは衰弱してしまう…
しかし、野風は赤ちゃんのそばに寄り添いお乳をあげる姿勢をとり、たくさん舐めていました。
赤ちゃんも懸命にお乳を探し、吸い付いていました。
生きようとする赤ちゃんの姿と、野風の育てたい気持ちが伝わってきますし、
私たち人間ではなく、親が育ててこそ
心も体も健やかなレッサーパンダに成長するものだと思います。
そこで、足りないお乳は私たちが人工乳を足すことで、
なんとかこのまま野風に育ててもらえないかと試みたのですが、
こちらの思いとはうらはらに、赤ちゃんの体重は減り続け、
生後3日目には体温も急激に下がり、
やむなく人工哺育へと移行したのでした
*有川飼育員は初めての子育てです!おしっこをさせているところ。
*人工乳を与える前はブドウ糖を与えて赤ちゃんの体力が落ちないように見守りました。
結局、今回も人工哺育になってしまいましたが、
「何とか赤ちゃんを野風のもとに返す方法はないのか」との思いから、
ある作戦(そんな大げさなものではないですが)を行うことにしたのです。
と、長くなりそうなので今回はここまで
とりあえず、赤ちゃんは元気に育っていますのでご安心ください
*すやすやと…生後11日目
*ミルクの後そのまま…生後18日目