動物たちのおはなし
ご報告が遅くなりましたが、2月12日、ニホンザルのキクが亡くなりました。
推定40歳でした。
キクは、1991年12月21日に東京の上野動物園からやってきました。
(1994年4月のキク)
到津の森公園のニホンザルの中ではもっとも古参で、たくさんの子どもや孫、ひ孫に
恵まれました。(今、到津のサル山にいる子孫だけでも24頭!!)
(2009年12月)
そんなキクは、私がニホンザルの担当になった頃(2009年)には、すでにおばあちゃんでした。
めっちゃ元気で食欲も旺盛で、悠々と暮らしているという印象があって・・・。
当時の担当者も、「化け物並みに元気いっぱいなおばあちゃんですよ!!」と、そんな感じのことを言っていたような記憶があります。(当時のキクは推定35歳と云われていました)
(2011年6月)
ごはんの時間も、よく若い者に怒って追い払ったりと強気なおばあちゃん。
もともと順位も高く(聞いた話では一時的にボスザルだったとか)、仲間達からも一目置かれた存在だったのでしょう。
(2012年2月)
いつまでも元気で、「死」という物を感じさせない(考えさせない)。
まさにスーパーおばあちゃんでした。
(2013年1月)
雪にも負けず。
(2013年10月)
とはいっても、老いてはくるもので。ポッコリおなか。
(2014年4月)
でも、食欲旺盛なキク。菜の花をバクバク食べています。
(2014年11月)
ヤマボウシの実をむしゃむしゃ。
少し目が白みがかり始めています。
(2015年8月)
キクの右目は白内障により、あまり見えていないよう。
(2015年9月)
同年11月に亡くなったヘイタの後ろで野菜ジュースの順番待ちをするキク。
2015年11月、白内障でついに両目とも見えなくなってしまいました。
最初はできるだけ群れ内で過ごしてもらおうと、他の子たちとは別途、餌を手渡しで与えたり、雨の日はサル山の寝室内に誘導したりと、サル山で暮らしていけるか様子を見ていたのですが。
寒い雨の日に自力で雨がよけられる場所に行けないこと。群れの仲間たちがキクに寄り添っている姿を確認できないこと。これらの理由で、このままサル山にいては冬を乗り切れないだろうと判断し、群れと離し暖房の付いた部屋で過ごしてもらうことにしました。
仲間とは離れ離れですが、あいかわらず食欲は旺盛なキク。
体型は維持しています(笑)。
そんなキクでしたが、2017年1月。急に食欲が減退しました。
調子の良さそうな日は、それでもいくらかは食べていましたが。
さすがに、そろそろお別れが近づいていることを察しました。
獣医さんからもらったヤクルトを飲むキク。
少し前までは、すぐに食らいついていたご飯に見向きもしないキク。
葉っぱをむしゃむしゃおいしそうに食べるキク。
これがキクを撮った最後の写真となりました。
2月12日の朝、いつものようにキクに会いに行くと、
床暖房の上で腹這いになって寝ているかのように息を引き取っていました。
また一頭、私にサルたちのルールを教えてくれた先輩とお別れです。
ありがとう。キクばあちゃん。
ありがとう。
今も、キクの子孫たちは元気にサル山で暮らしています。